第4回エレクトーンアレンジ大賞 受賞結果

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今回の「エレクトーンアレンジ大賞」は、ELS-02シリーズが発売されて3年が経ち、楽器に親しんできた結果でしょうか、十代の若い応募者も増え、エレクトーンアレンジに新風が吹いているように感じられました。
本誌4月号でお知らせしたように、2月下旬に行われた1次審査会では入選者9名が選ばれ、全員に記念品が贈られました。

入選者
窪田 佳代 (京都府京都市)
櫻庭芳樹 (京都府京都市)
城田 亜澄 (神奈川県茅ヶ崎市)
髙田 貴美子(北海道石狩市)
田形 圭悟 (宮城県仙台市)
高橋 亜紀 (大阪府大阪市)
對馬 千賀子 (東京都世田谷区)
野口 真央 (大阪府羽曳野市)
森 花音 (東京都世田谷区)
(五十音順)

3月には、審査員に守屋純子、柏木玲子、平部やよい、尾野カオルの各氏をお迎えして本審査会が行われ、厳正な審査の結果、大賞は城田亜澄さん、優秀賞は野口真央さんに決定しました! 
城田さんには賞金10万円が贈られ、課題曲アレンジ譜を本誌6月号に掲載します。また、優秀賞の野口真央さんには、賞金5万円が贈られます。
それでは、受賞者おふたりのインタビュー、そして、審査員の皆さんの講評をお届けしましょう。

大賞 城田亜澄さん 神奈川県茅ヶ崎市
課題曲 グリーンスリーブス(イギリス民謡)

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自由曲 おぼろ月夜(岡野貞一)
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●受賞の感想

大賞を受賞することができ、とてもうれしいです!システム講師になり、発表会などでアレンジをするきっかけをいただき、アレンジにとても興味を持つことができました。
自分でアレンジした曲を素晴らしい審査員の方々に聴いていただけたことが本当にうれしいです。

●アレンジのポイント

課題曲「グリーンスリーブス」はアイリッシュ風にアレンジしました。テーマのあと民族楽器のフィドル(バイオリン)のソロで、バウロンという打楽器のリズムにのせて盛り上がります。「おぼろ月夜」は日が落ちて暗くなり、菜の花の香りだけが漂い霞みがかった月夜のイメージを変ニ長調で描きました。後半、金管楽器が入り劇的に変化していきます。

●審査員より

from 守屋純子「グリーンスリーブス」「おぼろ月夜」ともアレンジがシンプルですが、言いたいことがはっきり伝わってくるし、だんだん盛り上がっていく展開のさせ方っていうのが非常に上手です。全体的な流れや構成がしっかりした、良いアレンジだと思います。

from 柏木玲子「グリーンスリーブス」はリバーダンス的なアイリッシュサウンドをよく研究されていて、リズムもすごくよかった。「おぼろ月夜」はもっと素敵なハーモニーにも挑戦していただけると期待していますが、全体的にバランスのとれたアレンジでよかったと思います。

from平部やよい「グリーンスリーブス」は構成力があって、じわじわと盛り上がってく感じが非常に工夫されていました。アレンジ力があると思います。「おぼろ月夜」は、後半がすごくよかったですね。展開、モチーフの扱い、転調など、いいアレンジだと思います。

from 尾野カオル2曲とも完成度が高く、アレンジも練られていて、いろんな意味でバランスが良いですね。とくに「グリーンスリーブス」 の展開がいいなと感じました。応募用紙にアレンジの意図が書いてありましたが、音を聴くと明確で、言いたいことがはっきり出ていました。

優秀賞 野口真央さん 大阪府羽曳野市
課題曲 ふるさと(岡野貞一)

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自由曲 ドナドナ/Dona Dona(S.セクンダ)
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●受賞の感想

優秀賞、本当にうれしいです。今回、課題曲は自分の好みより、みんなに弾いてほしいという意識でアレンジしました。今後は、自分の好きなものを残しつつ、新たな扉を開けるように引き出しを増やして、たくさんアレンジができたらなと思います。中学・高校で講師をしていますが、生徒に弾いてもらえるといいですね。新たな発見ができそうです。

●アレンジのポイント

「ふるさと」はストリングスだけで、さまざまな感情をアプローチを変えて表現しました。「ドナドナ」は渋さ、深さ、人間臭さという曲の魅力が、大好きなタンゴにマッチすると思って選曲。変拍子で表現してみました。あっと驚かせたいなと思って、ハーモニーを大分変えているので、そこの音選びにいちばん時間がかりました。

●審査員より

from 守屋純子「ドナドナ」 は非常に名アレンジだと思います。これだけ複雑な変拍子が入っているのに、常に根底にメロディーが流れていて、難解さをあまり感じさせないところが素晴らしい。なかなかこういうアレンジはできないと思います。

from 柏木玲子「ふるさと」はやりたい方向性は私も好きな感じなので、もう少し時間をかけて頑張ってほしいですね。「ドナドナ」は、難しい変拍子が難しくなく聴けるのがいいですし、後半のメロディーの部分も大きく取っているところなど工夫していると感じました。

from平部やよい「ふるさと」は対位法的にも書けていますし、力のある人ですね。「ドナドナ」はこのまま楽譜にしてもいけるほどずば抜けていました。野口さんにも大賞をあげてもいいくらい、「ドナドナ」は素晴らしいと思いました。

from 尾野カオル「ドナドナ」はタンゴですが、リズムに打ち込みの音色を入れることで、アレンジ全体が新しい響きや鳴り方がして、なるほどなと思って聴いていました。「ふるさと」はレジストで空間など工夫するとより美しく響くと思います。

審査員による総評
守屋純子(ジャズピアニスト、作・編曲家)

皆さん大変よかったですが、もし気をつけるとすれば、アイデアを詰め込みすぎないことだと思います。詰めすぎて展開が追いつかなかったり…。とくにジャズ系のアレンジでは、アドリブ部分の音を少し減らさないとアンサンブルとの対比が出ないと思います。

柏木玲子(エレクトーンプレイヤー、作・編曲家)

これで4回目になりますが、全体的にいいアレンジがたくさんあったと思いました。今回、若い方の作品が、やや粗いところがあるものの、新鮮で、発想が面白かったり、新しい風が感じられてよかったですね。

平部やよい(エレクトーンプレイヤー、作・編曲家)

気になったのは、左手の和音のつかみ方。真ん中の音域でぐちゃっと押さえないで、少し音を省いても成立するかと思います。また、ベースと左手で伴奏、右手はメロディーというところから少し外れたアレンジのアイデアもあっていいのかなとも思います。

尾野カオル(エレクトーンプレイヤー)

全体のレベルがより上がってきていて、総合的にバランス良く、より自分が出したいサウンドを出せている印象を受けました。面白い発想やセンス良い作品も多かったので、これまでで一番楽しかったです!アレンジってイイなと思いました。

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左より、尾野カオルさん、柏木玲子さん、守屋純子さん、平部やよいさん。

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課題曲と自由曲の2曲をELS-02Cで再生。真剣に聴き入る審査員。

★過去の受賞結果はこちらをご参照ください。

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