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研究・レポート
ヤマハ音楽研究所
※記事掲載時点の情報です

習いごとに関する保護者の意識 10年前と現在の変化について

子どもの可能性をさらに広げて伸ばすことにもつながる「習いごと」は、子育て中のご両親にとって常に関心の高い問題です。「積極的にいろいろな習いごとにチャレンジさせたい!」「お友達が通うなら、うちの子も」など、各家庭でさまざまな事情はあると思いますが、実際は「習いごと」についてどのように考え、取り組んでいるのでしょうか?

ヤマハ音楽振興会では、2006年2月に保護者の意識や取り巻く環境、習いごとへの考え方について幅広く尋ねたアンケート調査を実施。ちょうど10年後の2016年にも同様の調査を実施しました。果たしてこの10年で保護者の意識に変化はあったのでしょうか?2つの調査の比較データを中心にレポートしていきます。

調査概要

企画
ヤマハ音楽振興会

2006

調査期間
2006年2月24日~2006年2月26日
調査方式
インターネット調査
調査対象
0~4歳未満児を持つ全国20~49歳の女性
有効回答数
1600

子どもの人数

子どもの性別

2016

調査期間
2016年11月28日~2016年12月1日
調査方式
インターネット調査
調査対象
0~4歳未満児を持つ全国20~49歳の女性
有効回答数
1704

子どもの人数

子どもの性別

子どもの年齢分布(2006年・2016年)

子育ての悩みや不安を抱える親が増加

まず見ておきたいのは「子どもを持つ親が子育てについてどのような思いを抱えているのか」。2つの調査データを比較してみました。

1. 子どもに関する悩みや不安はありますか?

子どもに関する悩みや不安の有無は、2006年は「とてもある」が10.2%、「少しある」が54.5%、合計64.7%でした。対して2016年は「とてもある」が17.1%、「少しある」が55.5%、合計72.6%となりました。合計を比べますと7.9%上昇しており、育児の悩みや不安を抱えている人の割合が高まっていることがうかがえます。
また、悩みや不安の具体的な内容については、「子どものしつけ」「子育てによる精神的な疲れ」「子育てによる身体の疲れ」「自分の自由な時間や夫婦で楽しむ時間が持てない」「子育てで出費がかさむ」が上位となりました。これは近年、出産年齢に幅が出てきたり、共働き世帯の増加が進んだりしていることが背景にあると思われます。(厚生労働省:「我が国の人口動態」および「国民生活基礎調査の概況」)

子どもとの外出は、やや消極的に

次に子どもを持つ親を取り巻く環境について調べるため、どのくらいの頻度で外出しているのかをお聞きしました。

2. 4歳未満の子どもとの外出頻度は?

子どもとの外出の頻度は、2016年は「ほぼ毎日」「週に4~5日」「週に2~3日」の合計が86.1%。2006年は同じ回答が91.4%ですので、外出の頻度はわずかに減っています。
また、外出の目的ですが、「買い物」「子どもの遊び(公園など)」 「イベントやサークルへの参加」「自分(母親)の気分転換や気晴らし」「友人・知人との交流や情報交換」が上位です。ただ、「子どもの遊び(公園など)」以外は2006年よりも数値が減少しています。
そうした状況の中、親は外出の頻度をどうしたいと考えているのでしょうか。

3. できるなら、もっと外出したい?

2016年は「もっと外出したい」という回答が42.9%ありましたが、2006年と比較するとその数は8.5%も減少しています。
併せて、外出を妨げる理由についても聞いてみました。結果は「時間に余裕がない」「自分の体力がない」などの項目が増加傾向にある一方で、「授乳やオムツ・トイレ」「階段の上り下りなど」などの項目は減少しました。
どうやら周辺環境の快適性は高まっているものの、労働環境の変化や身体的負担増、時間や金銭的な理由から、子どもと一緒に外出したいという意向は減少しているようです。

運動系の習いごとが人気、教育系はやや減少傾向

それでは、ここから本題の習いごとに関する調査結果を比較していきます。まず、4歳未満の子どもを持つ親は、習いごとについてどのように考えているのでしょうか。まずは、どんな習いごとをさせているのか、 1カ月ごとにかかる費用と併せてお聞きしました。

4. 子どもに何を習わせていますか?

2006年と比較したとき、2016年は運動系の習いごとがわずかに増加している反面、室内系の習いごとは減少しています。また「特にない」という数値が上昇していて、外出だけではなく習いごとについてもやや消極的に感じている家庭が増えているようでした。
その一方、習いごとにかけている費用については、2016年の平均が1カ月で8,755円となり、2006年と比較すると2,639円上昇しました。
次に、今後やってみたい習いごとと、その費用感についても聞いてみました。

5. 今後、子どもに何を習わせたいですか?

「スイミング」や「体操」など、運動系の習いごとの数値は上昇していて、その人気ぶりがうかがえます。一方、「音楽教室」や「知育教育」、「英語教室」など室内系の習いごとは、全体的に見ると高い人気を維持しているものの、数値自体は減少しています。
また、新しく習いごとを始める場合にかけられる1カ月の上限金額は、2016年の平均値が10,012円で、2006年の10,065円とほぼ変わりませんでした。

運動機能や知能など、成果が分かりやすさが興味を引く

親子で一緒に歌ったり、音楽に合わせて身体を動かしたり。運動系の習いごとと音楽教室の、それぞれの長所を掛け合わせたイベントは以前から開催されています。そんな音楽プログラムへの興味についても質問しました。

6. 親子向け音楽プログラムのどのようなところに興味がありますか?

「子どもの運動機能、体育」が5位 → 1位に!

「親子のコミュニケーション」「子どもの好奇心・意欲」「子どもの表現力」「子どもの感受性」といった上位にランキングされる項目は、2006年と2016年で大きな変化はありませんでした。しかし「子どもの運動機能、体育」は5位から1位にジャンプアップ。2006年の時点では9位だった「子どもの知能の発達」も6位まで順位を上げています。
この結果から、表現力や感受性などの抽象的な効果よりも、運動機能や知能などより分かりやすい成果が求められる傾向であることが分かりました。

これらのデータから、育児に悩む親は増えているものの、時間や金銭などの理由から「親子で外出して双方のストレス発散!」という手段を選べないケースの多いことが分かりました。その一方で、外出などにかかる支出を抑え、子どもの可能性を伸ばす習いごとに投資する家庭が増えていることも分かりました。
こうした親子の状況に同調する形で、気軽に参加できる子育て支援の教室やイベントが増加。そうした親子向けプログラムを総合的に紹介するWebサイトも増えたことで、自分たちの希望に添った時間や金額で参加できるプログラムを探しやすくなり、2006年より2016年の方が親子の参加率は高まっています。
中でも音楽系の親子向けプログラムには、子どもの運動機能の向上やコミュニケーションの深化に期待して参加する親も少なくありません。親子で一緒に歌い、ふれあいながら絆を深めるプログラムは、ストレス発散だけではなく、子どもの自発的な表現意欲を引き出すなど、新たな可能性の掘り起こしにつながる可能性があります。
こうした音楽系の親子向けプログラムの開催は、今後も増えていくことでしょう。

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ヤマハ音楽研究所
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