(財)ヤマハ音楽振興会 音楽研究所シンポジウム 「音楽と人間とテクノロジー」 開催

06年01月

 財団法人ヤマハ音楽振興会 音楽研究所では、来る2月21日(火)シンポジウム「音楽と人間とテクノロジー」を、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催します。
子どもから高齢者まで全ての層を対象に、音楽を軸にした多様な角度からの実践的研究や開発ツールを紹介、将来の音楽教育におけるテクノロジー活用を提起します。

 第一部は、ピアニストの仲道郁代氏を迎え、当研究所が開発した「遠隔レッスンシステム」を使い、東京とニューヨークを高速回線で結んだ遠隔ピアノレッスンを公開します。レッスンは、ベートーヴェン「熱情ソナタ」とショパン「ピアノソナタ第3番」を題材にします。また、演奏をリアルタイムでデータ化し画面で解析できる「演奏情報可視化ツール『Pia Note(R)』」も使ってレッスンを進めます。レッスン後に、仲道氏による講演・演奏を頂きます。

 第二部は、当研究所の事例研究、並びに「ヤマハ音楽支援制度」研究活動支援対象者による研究が報告されます。当研究所からは、第一部で紹介した「演奏情報可視化ツール『Pia Note(R)』」や高齢者の音楽学習方法などの研究結果を紹介。また、研究活動支援対象者からは、モーツァルトの音楽鑑賞が脳機能に及ぼす効果の研究などが報告されます。

シンポジウム概要

[日 時]
2006年2月21日(火) 10:00開場 10:30 開演(17:30終演予定)

[会 場] 
東京国際フォーラム【ホールD7】 キャパ200人
(東京都千代田区丸の内3-5-1 TEL:03-5221-9000 )
*JR有楽町駅下車徒歩1分・JR東京駅下車徒歩5分
 
[主催]
財団法人ヤマハ音楽振興会 音楽研究所
(神奈川県川崎市中原区木月1184 TEL:044-430-5776)
 
[プログラム] 
※時間は目安です。

10:30 開催挨拶  ヤマハ音楽振興会 理事長 伊藤修二
10:40 主旨目的  ヤマハ音楽振興会 理事 音楽研究所長 西岡晃
11:00 ◆ 東京とニューヨークを結んだリアルタイム遠隔レッスン
◇ 遠隔ピアノ公開レッスン
指導:仲道郁代   生徒:ニューヨーク 学生
◇ 講演と演奏  仲道郁代
12:30 昼食

13:30

14:20

15:10

◆ 音楽研究所 研究発表
1) ピアノ学習者は自分の演奏をどこまで客観的に認識できるか
発表者:渚 智佳・藤岡智彦(音楽研究所スタッフ)
2) 音楽とテクノロジーが高齢者を活性化させる
発表者:小林廣美・本間健将(音楽研究所スタッフ)
3) 子どもと音楽との関わりにおけるインターネットの可能性
発表者:長沼由美(音楽研究所スタッフ)
藤方景子(元情報インストラクター)
若松潤子(神戸大学発達科学部附属住吉小学校教諭)
斎藤忠彦(信州大学)
16:20 休憩

16:30


16:50
◆ ヤマハ音楽支援制度支援対象者による研究発表
1)読譜指導における移動ド・固定ド唱法(絶対固定ド・移動可固定ド)に関する研究  
~2000年代日本の実態と世界の動向についての調査研究~
発表者:小川容子(鳥取大学)
2)音楽による脳機能調節のメカニズム ~ネズミも求めるモーツァルト~
発表者:秋山佳代(筑波大学)
17:20 閉会挨拶 
17:30 終了 (終了後同ホール6階にて懇親会)

プログラム詳細

東京とニューヨークを結んだリアルタイム遠隔レッスン

音楽研究所が開発した「遠隔レッスンシステム」を使って、東京国際フォーラムとニューヨークのヤマハの拠点とを結び、リアルタイム遠隔レッスンを公開。レッスン題材は、ベートーヴェン「熱情ソナタ」とショパン「ピアノソナタ第3番」。ニューヨーク会場の生徒が弾いたピアノがリアルタイムに東京会場の鍵盤に再現され、また演奏情報可視化ツール「Pia Note(R)」による演奏のデータ解析を利用しながら、ピアニスト仲道郁代氏が指導する。レッスン後には、仲道氏による講演と演奏が披露される。

<仲道郁代(なかみちいくよ)氏 プロフィール>

仲道郁代オフィシャル・ホームページ http://www.ikuyo-nakamichi.com
大学1年在学中に、第51回日本音楽コンクール第1位、あわせて増沢賞を受賞し注目を集めた仲道郁代は、数々の国内外での受賞を経て、ヨーロッパと日本で本格的な演奏活動をスタートさせた。
古典からロマン派までの幅広いレパートリーを持ち、これまでに日本の主要オーケストラと共演した他、ピヒラー指揮ロンドン・モーツァルト管弦楽団、マゼール指揮ピッツバーグ交響楽団及びバイエルン放送交響楽団、小林研一郎指揮ハンガリー国立交響楽団、ズッカーマン指揮イギリス室内管弦楽団、ブルゴス指揮ベルリン放送交響楽団などのソリストとして迎えられ、その音楽性に高い評価を得ている。99年にはカーネギーホールでリサイタル・デビュー、2001年にはサンクトペテルブルグ、ベルリン・フィルハーモニーホールでのコンチェルト・デビューを果たし、ますます活躍の幅を広げている。
リサイタルも日本各地で行っており、98年から行った「ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全曲演奏会」は、作品への真摯な取り組みと音楽性の高さが評価された。2002年からは「ベートーヴェンの全32曲のピアノ・ソナタを語り、聴く会」と題し、諸井誠氏との解説・対談・分析を交えながらソナタ全曲の演奏を行う、という画期的なプロジェクトに取り組んでいる。
リサイタルのみならず、彼女の多彩なアイディアや情熱から生まれた企画も多く、「ゴメン!遊ばせクラシック」、「ピアノとスライドでつづる動物たちの詩“光のこどもたち”」など、魅力的な内容とともに、豊かな人間性がますます多くのファンを魅了している。
レコーディングはBMGファンハウスと専属契約を結び、クラシック音楽としてはこれまでにないヒットを記録したアルバム、レコード芸術特選盤に選ばれたアルバムなど多数のCDをリリースしている。

音楽研究所 研究発表

1) ピアノ学習者は自分の演奏をどこまで客観的に認識できるか

発表者:渚 智佳・藤岡智彦(音楽研究所スタッフ)
 
ピアノ学習者は、通常、自分の演奏テクニックを自身の耳や手・指の動きなど、極めて主観的な方法で認識している。「演奏情報可視化ツール『Pia Note(R)』」は、演奏状態をMIDIデータで収録し、それをリアルタイムにグラフィック表示し演奏を客観的に認識することを可能にした。特に、ピアノ初・中級者のレベルを対象に合理的・効果的なピアノ指導方法の提案とする。

2) 音楽とテクノロジーが高齢者を活性化させる

発表者:小林廣美・本間健将(音楽研究所スタッフ)
高速回線による「遠隔レッスンシステム」を活用したピアノレッスンや、音と映像を活用した学習用DVDによる読譜学習を高齢者施設で実践。高齢者が効果的に音楽を学習する様子や、学習者自身の変化などを検証した。その課程をVTRで紹介しながら、高齢者のライフスタイルに適ったテクノロジーを活用した音楽教育の方法論を語る。

3) 子どもと音楽との関わりにおけるインターネットの可能性

発表者:長沼由美(音楽研究所スタッフ)
藤方景子(元情報インストラクター)
若松潤子(神戸大学発達科学部附属住吉小学校教諭)
斎藤忠彦(信州大学)
 
色々な楽器について楽しく学べる楽器図鑑サイト「MusicalZoo~動物楽器図鑑~」と、様々な音楽ゲームを通して知識を吸収できるサイト「MusiCreature Kids」の学校教育現場での活用事例を紹介し、子どもと音楽との関わりにおけるインターネットの可能性を探る。

ヤマハ音楽支援制度授与者による研究発表

1) 読譜指導における移動ド・固定ド唱法(絶対固定ド・移動可固定ド)に関する研究

~2000年代日本の実態と世界の動向についての調査研究~
 
発表者  :
小川容子(鳥取大学)

共同研究者:
村尾忠廣(愛知教育大学)
北山敦康(静岡大学)

 
小中学校と大学を対象に、唱法指導の実態調査を行った。その結果、歌唱指導では絶対音的な固定ドではなく、移動ドが多く採用されていることが明らかにされた。諸外国の唱法課題の取り組みを検証しながら、唱法指導への理論構築を行う。

 

2) 音楽による脳機能調節のメカニズム  ~ネズミも求めるモーツァルト~

発表者  :秋山佳代(筑波大学)
共同研究者:須藤伝悦(筑波大学)
 
人間の感情や性格になどに大きく関わりのある脳内物質ドーパミンの合成促進に、音楽が有効であることを示唆した研究。ラット(ネズミ)にモーツァルトを聴かせることでドーパミンが上昇、血圧やアルコールとの関連性も見出された。音楽のどのような成分が脳機能を調節し、認知症などの疾病を改善することができるのか、今回、初めての発表となる。

参考資料

【財団法人ヤマハ音楽振興会 音楽研究所】
財団法人ヤマハ音楽振興会が推進する音楽の普及・教育活動の源となる基礎的な音楽についての研究を行い、財団のあらゆる活動を支える原理や方法論の確立と蓄積を図ることを目的として1990年に設立された。1998年から「音楽教育研究室」と「ソフト研究開発室」の2室の体制となる。いずれも世の中の動向や変化の中で求められている「社会的ニーズ」を常にキャッチしながら、21世紀の音楽教育の指針となるべく新たな可能性を探りつつ、有効な研究成果の輩出を目指している。

【ヤマハ音楽支援制度】
財団法人ヤマハ音楽振興会は、1966年に文部省認可の公益法人として発足以来、音楽教育・普及活動を通して、広く社会教育の振興に資するとともに、音楽文化の向上に寄与してきた。当財団の活動の中で、若い才能ある人々に対する音楽活動の支援は、主要な事業のひとつとして位置づけられている。1988年の一般音楽学生に対する奨学金制度の設立をはじめとして、日本の学生の海外留学支援や留学生の受け入れなどを随時行ってきたが、1999年にその規模をひろげ、積極的な展開を図っていくことを目的として、「ヤマハ音楽支援制度」を設立。これは、音楽の勉学を志す学生(留学生を含む)に対して、奨学金などの経済支援を行うほか、コンサート活動や研究活動にも広く支援の手をひろげ、優れた音楽の才能を着実に育てていこうとするものである。

お問い合わせ先

財団法人ヤマハ音楽振興会 広報部 藤山/高瀬
〒153-8666 東京都目黒区下目黒3-24-22
TEL:03-5773-0808
FAX:03-5773-0857

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