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研究活動支援対象者の活動レポート
時間とリズムを紡ぐ脳 -MEG計測による時間とリズム知覚に関する心理生理学的研究-九州大学大学院芸術工学研究院 中島祥好 教授 インタビュー2009年07月24日 取材
聴覚だけではなく、視覚などほかの感覚とのつながりを解明したい
今回の実験では、聴覚における時間の処理が脳のどのあたりで行なわれるかが分かりましたが、このことをさらに次の分析につなげていきたい、と光藤氏は語ります。
光藤: 規則性を把握するのは耳だけではありません。目から見える視覚的な情報も、時間間隔を示しているはずなので、目で見たときの時間を知覚するシステムと耳で聴いたときの時間を知覚するシステムとのつながりを明らかにしていきたいですね。視聴覚で統合したときの時間を把握する仕組みはどうなっているのか。これを解明していきたいと思います。
また、さらに今回の研究結果が、他分野の研究に何らかの進展をもたらすような手段として活用できれば、と考えておられます。
中島: 時間やリズムを知覚する際の、脳機能の所在を解明できれば、脳機能のリハビリテーションなど、臨床的な研究の役に立つことができるのでは、と期待しています。また、音楽専門家が持つ絶対音感ならぬ「絶対テンポ感覚のようなもの」が、どのような要因で培われていくのかを探求することで音楽教育の研究にも役立てられればうれしいですね。
今回のテーマは、人間のリズム認知のメカニズムを知るという、非常に大きな、そして基礎的な研究といえるかもしれません。今回の研究により得られた知識や見解が、音楽や音楽教育の発展につながる可能性は高いのではないでしょうか。今後のさらなる研究の深まりと広がりに期待したいところです。
前ページで紹介しているテスト用音声は、1では前の時間間隔が80ms短く、2では後の時間間隔が80ms短くなっています。どちらも80msの差があるのですが、1の方は前後の時間間隔が等しく感じませんでしたか?
支援対象者プロフィール(取材時)
中島祥好 教授
九州大学大学院芸術工学研究院
光藤崇子 特別研究員
日本学術振興会
飛松省三 教授
九州大学大学院医学研究院
支援対象研究
- 課題名
- 時間とリズムを紡ぐ脳 -MEG計測による時間とリズム知覚に関する心理生理学的研究-
- 研究期間
- 平成20年4月~平成21年3月