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研究活動支援対象者の活動レポート

幼児の歌記憶に音楽要素が与える影響 脳波PSD法による検討お茶の水女子大学 大学院 博士後期課程 松﨑真実 さん インタビュー2015年01月27日 取材

音楽大学で作曲を学んでいたという経歴を持ち、現在は、音楽教育や幼児の音楽能力に関する研究を専門としている松﨑真実さん(以下、松﨑さん)。オーストラリア留学中に、同国で音楽療法が日本と比べ医学寄りに用いられていることを知り、以来、音楽が人体に与える影響について研究しています。そんな松﨑さんが、お茶の水女子大学の榊原洋一教授と進めている研究「幼児の歌記憶に音楽要素が与える影響 脳波PSD法による検討」が、2013年度研究活動支援の対象になりました。今回はその研究内容や結果について、東京都文京区のお茶の水女子大学キャンパスにて松﨑さんにお話をお聞きしました。

幼児期の歌記憶において、どの構成要素が強く影響しているか

東北大学大学院在学中は、NIRSを用いて成人が音楽を聴取しているとき脳活動がどのように変化するかを主に研究していた松﨑さん。現在はその対象を幼児や児童に絞り、お茶の水女子大学で、幼児の歌記憶・音楽教育・音楽能力に関する研究を専門としています。そんな松﨑さんは、自身のお子さんや子どもたちにリトミックを教える中で、不思議な現象を目のあたりにしました。

松﨑:言葉をほとんど話すことができない幼い子どもたちが、歌であれば正確に歌うことができるのです。2歳の子どもたちも、メロディーラインは取れないものの、リズムに乗って歌詞を口ずさんでいました。英語の曲を1回聴いただけで、歌いこなす子どもさえいました。しかし、歌の「言葉だけを話してみて」と頼んでも途端に発音できなくなるのです。なぜこのようなことが起こるのか、歌の持つ力を解明したいと思いました。

松﨑真実 さん

共同研究者の榊原洋一 教授

歌を構成する要素は「メロディーライン」「リズム」「調性」「歌詞」の4つ。松﨑さんは、まず幼児たちにモデルとなる歌を覚えてもらい、次に4つの要素のうち1つを変えた歌を聞かせて、その違いに気付くかどうか測定することを考えました。さらに、実験中の幼児の脳波を計測し、そのデータをPSD法を用いて定量的に分析することでその性質を明らかにすることにしました。

松﨑:2つの歌の違いに気付いた子どもが多い要素ほど、幼児の歌記憶への作用が強いと推測できます。また、歌を記憶しようとする幼児の脳波を計測することで、脳活動にどのような変動が起こるのかを観察すれば、幼児の歌記憶に音楽要素が及ぼす影響について、何か分かるのではないかと考えました。今回はドイツの大学でも実験を行ったのですが、その際に「ヤマハから研究支援を受けている」と話したところ、スムーズに現場の方々に受け入れていただけました。金銭的な面以外でも恩恵を受けることができたと感じています。

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