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研究活動支援対象者の活動レポート

大規模コンペティションデータを活用した現代ピアノ教育過程の数理的分析東京大学 生産技術研究所 都市基盤安全工学国際研究センター
本間裕大 准教授 インタビュー
2017年11月09日 取材

データ解析結果を、より良い教育システム構築などの提言につなげる

今回の研究で使用したのは24年間分の膨大なデータでしたが、中には一部欠損している部分もあり、今後よりいっそう分析を深めていくためには、さらなるデータが必要になるそうです。

本間:今回のデータは、ピティナのコンペティションに参加できる演奏レベルの人が対象になっていました。しかし、これは一部の上層であり、ピアノ人口はもっと多く、ピアノ文化のすそ野はもっと広がっているはずです。こうしたピアノの教育業界全体の課題解決を促進できるようになるため、もっと研究を突き詰めていきたいと考えています。そのためにはデータが得られない層の状況を推定する作業が必要です。その上で、師弟関係や教材などの刺激に対する反応を分析する必要もあります。将来はピアノの教育業界全体に効果をもたらせるよう、しっかり研究を進めていきたいです。

また、現時点の研究成果は、現ピアノ教育システムの分析にとどまっていると話す本間准教授。今後は社会システム工学を専門とする立場として、「こういうピアノ教育システムを構築していくべき」などの提言ができるようになりたいと考えています。

本間裕大 准教授

本間:例えば、現状はバッハのインベンションを5~6歳で弾いている子もいれば、15歳で弾いている子もいます。それを、多くの人がより早い段階で弾けるようになるようシフトしていくには、どのような教則本を作るべきか、どのような教育システムを構築するべきか、提言していきたい。また、各都道府県間の比較で、どちらがピアノの上達が早かったのかがわかります。そこから、幼少期のうちから遠くの有力な指導者に習うほうが良いのか、地元の先生に習っていても大きな変化はないのか、という提言につなげられるはずです。今後はそういう提言ができるよう、研究を進めていきたいです。

膨大なデータの解析により、誰もが感覚的に認識していた事象について、その傾向を明示し、新しい知見の創出に成功した今回の研究。幼少期からピアノに親しんできた本間准教授ならではの視点のおかげで、より有意義な成果が得られました。今後も、これまでにない視点をもって研究を進展されることを期待しています。

支援対象者プロフィール(取材時)

本間裕大 准教授東京大学 生産技術研究所 都市基盤安全工学国際研究センター

支援対象研究

課題名
大規模コンペティションデータを活用した現代ピアノ教育過程の数理的分析
研究期間
平成28年4月~平成29年3月

音楽支援事業

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