1年に1度、海外の子どもたちを招いて行われるインターナショナルジュニアオリジナルコンサート。44回目となる今回は、2015年11月14日(土)、東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールにて開催し、海外(イタリア、アメリカ、インドネシア、シンガポール、タイ、台湾)と日本国内から12組の若き音楽家たちが出演。瑞々しい感性に彩られたオリジナル曲と即興演奏を披露しました。
オープニングを飾ったのは、ナッポントーン・ロジャナソワァンさん(タイ)のエレクトーンソロによる『Cybernetics Odyssey』。SF映画が大好きというだけあって、そのサウンドはスペーシーで近未来的。エッジの効いたリズムとスピード感で会場の雰囲気を盛り上げます。続く上野なのはさんの『雪のファンタジー』は、4つのパートからなる組曲。美しいピアノの音色で様々な雪の姿を映し出した演奏に、客席はひととき白銀の世界に包まれたようでした。
3曲目、ヤン・シンニーさん(台湾)の『寶島風情(The Beauty of Formosa)』は、オリエンタルなムードにあふれた曲。エレクトーンとバンブーフルートや多彩なパーカッションとのアンサンブルで、故郷・台湾の美しさを描写した響きが、聴く者を異国へと誘います。そしてアントニオ・ユウイチ・レンティーニさん(イタリア)は、広大な海のイメージをピアノに託して『IL VALZER DELL’OCEANO』を演奏。華麗なワルツのリズムにのせたロマンチックなメロディーで、刻一刻と変化する海の表情を描き出してくれました。
大同理紗さんが、同じ教室に通う多田憲伸さんとピアノ連弾で演奏した『リリアーネとイザヤの大冒険』は、大好きな本からインスピレーションを得て作ったという作品。お互いを「いつも緊張をほぐしてくれるおもしろい友達」(大同さん)、「明るくてとにかくピアノがうまい人(多田さん)」という2人は息もぴったりで、ワクワクドキドキの音の物語を綴ってくれました。
続いて登場したメガン・チャングさん(アメリカ)の『Candy Clouds』は、ピアノとチェロのアンサンブル。綿あめのような雲が少しずつ姿を変えていく様子が、時に軽やかに時にしっとりと奏でられていきます。そして第一部の最後は、遠山加菜さんと船津裕城さんが共作した『RUSH!』。朝を迎え、めまぐるしく動きはじめる大都会の情景が、エレクトーン・ピアノ・ドラム・パーカッションのアンサンブルで、壮大かつエネルギッシュに表現されました。