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コンサート・コンクール エレクトーンと奏でるバイオリン協奏曲の夕べ
徳永二男 渡辺睦樹

2016.09.21
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日本を代表するバイオリニスト、徳永二男氏とエレクトーンによるクラシック演奏第一人者として活躍するヤマハ音楽振興会所属エレクトーンプレイヤー・渡辺睦樹の共演が実現した。題して「エレクトーンと奏でるバイオリン協奏曲の夕べ」。2016年9月6日(火)、会場となったヤマハホール(東京都中央区)は、豪華かつ異色のコンチェルトに期待を寄せる観客で埋め尽くされていた。

今回のコンサートは、ヤマハ音楽振興会からのオファーを、エレクトーンという楽器の表現力の広がりと渡辺の演奏に惹かれた徳永が受け入れる形で実現した。これまでもピアニストやヴォーカリストなどとのコラボレーションを行ってきた渡辺は、共演者の機微を感じ取りながら音楽を創っていくことができる、エレクトーン界のなかでも類まれな存在だ。

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前半は、A.ヴィヴァルディの『バイオリン協奏曲集「四季」Op.8』の『春』で幕を開けた。
実は、今回のプログラムに選ばれたこの『四季』は、渡辺にとってチャレンジングなものだったという。豊かな音色が最大の特徴のエレクトーンにあって、ストリングスだけで全12曲を演奏する。徳永が表現する『四季』を支えつつ、限られた音色のなかでいかにして共に音楽を創っていくのか。
『春』の有名な冒頭のフレーズは、渡辺の見事な手腕とエレクトーンの新たな魅力をいきなり感じさせてくれるものだった。躍動するバイオリンとエレクトーンの音色が響き合う華やかなトゥッティに、一瞬にして引き込まれていく。

しなやかな渡辺の指が、生命力や嵐、喜びなど『四季』に描写されたさまざまな情景や感情を見事に表現していく。独奏バイオリンとのかけ合いや、バイオリンが朗々と奏でるメロディーを美しく支える『冬』の第2楽章でのピィツィカートなどシンプルながら美しい音色も印象的だ。
幾度となく聴いた名曲ではあるが、バイオリンとエレクトーンの共演はこの上なく新鮮。お互いの世界を大切にしながら創り上げた一期一会の『四季』に、次なる演奏への期待がますます高まる。

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休憩を挟んだ後半は、渡辺のソロ演奏。今回のコンサートにふさわしい曲として、渡辺はA.グラズノフの代表作である『バレエ音楽「四季」Op.67』より『“秋”小アダージョ』を選んだ。
低弦の和音とハープのアルペッジョに乗せて、旋律を奏でるイングリッシュ・ホルンとビオラ。ゆったりとしたテンポのなか、さまざまな楽器が美しいソロをつなげていき、抒情的な雰囲気を醸し出す。
前半の『四季』とは一転、豊富な音色をもつエレクトーンならではの演奏とアレンジで、優美な響きを存分に味わわせてくれた。

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