エレクトーンコンクールは、エレクトーンによる新たな音楽の創造を目指し1964年にスタートして以来50年以上の歴史を重ね、これまでに数多くの音楽家・演奏家が育ち、さまざまな音楽シーンで活躍しています。
エレクトーンを学ぶ人にとっての最高峰のコンクールとなっている「ヤマハエレクトーンコンクール(YEC)2017」。昨年度までは高校生以上を対象として展開していましたが、今年度は、これまで中学生以下の子どもたちを対象に開催していた「ジュニアエレクトーンコンクール(JEC)」を統合して、4部門(小学生低学年、小学生高学年、中学生、一般)での展開とし、心に残る個性的なエレクトーン楽曲や演奏を披露する場として、またエレクトーン学習者の裾野を広げることを目指し、新たにスタートしました。
その「YEC2017ファイナル」が2017年12月2日(土)3日(日)の二日間にわたりNHK大阪ホール(大阪市中央区)で開催され、全国7エリアで実施した「選考会」を通過した44名と、海外からのエントリー7名を加えた、総勢51名のファイナリストが、頂点を目指して熱演を繰り広げました。
審査の結果、小学生高学年部門では岡田花奏さん(小学5年生・徳島県板野郡)、中学生部門では進士知雅さん(中学3年生・北海道恵庭市)、一般部門では川上天馬さん(17歳・青森県八戸市)が第1位に選ばれました。ここでは受賞直後の喜びの声をご紹介します。
岡田 花奏さん(小学生高学年部門第1位)のコメント
課題曲は優しい感じで始まるので、家族のことを想いながら弾きました。限られた音だけでどこまで表現できるか練習してきたので、今日はそれを皆さんに届けることができたのが嬉しいです。自由曲は堂々とした曲なので「やるぞ!」と気持ちを切り替えて弾きました。自分の演奏に集中できたけれど、お客さんがいっぱいで緊張しました。
1位になったなんてまだ信じられません。夢じゃないかと思って、友達にほっぺをつねってもらったんです(笑)。夢じゃないのかな?!
進士 知雅さん(中学生部門第1位)のコメント
今日は、丁寧に、そして楽しんで弾こうと思っていました。1位になって、嬉しいよりも信じられないという気持ちのほうが大きいです。指導してくださった先生方に、感謝の思いでいっぱいです。
将来は具体的にはまだ決めていませんが、今あるものを頑張りたい。一台で、クラシック、ジャズ、民族音楽などさまざまなものが表現できるエレクトーンを、もっと追求していきたいです。
川上 天馬さん(一般部門第1位)のコメント
YEC1位は憧れの賞でした。夢のようです。去年のYECでは3位で、更に壁を乗り越えたいという想いで創ったのが、自由曲の『overcome』。課題曲で使った「オルガン」の音色も初めての挑戦でした。「乗り越える」「挑戦する」というテーマが今回ありました。そしてなにより、これまでのステージで一番楽しかったんです。それが今日の演奏につながったと思います。
僕の演奏を通して、エレクトーンの楽しさをもっと多くの人に伝えていきたい。そしていつの日か、大好きなスケートの羽生結弦選手と、僕の創った曲でコラボするのが夢です。
表彰式では審査結果の発表に先立ち、審査員各氏より講評がありました。これまでの努力に対する労いの言葉が贈られるとともに、「分かりやすく聴き手に受け止めてもらうには、適切なフレージングと適切なリズム感が大切」「音色の選び方や、音量、リバーブにも気をつけて」など、具体的なアドバイスがありました。また、「エレクトーンが新しい音楽を、たくさんの財産を生み出していくことを願っている」「この舞台で演奏した経験は大きい。今後に活かして欲しい」と、さらなる活躍に期待を込められていました。
※「YEC2017ファイナル」の開催リポート、審査講評は1月に「YECオフィシャルサイト」http://www.yamaha-mf.or.jp/yec/ で公開予定です。