ヤマハ音楽教室在籍生徒とそのご家族・ご友人を対象とした「ヤマハ音楽教室 ジュニア・ミュージックフェスタ2018」。2016年よりスタートし3回目を迎えた本年は、2018年8月29日(水)、ヤマハ銀座ホール/ヤマハ銀座スタジオ(東京都中央区)で3つの音楽プログラムを実施し、多くのお客様で賑わいました。
※当日の模様をオフィシャルサイトで順次公開しておりますので、ぜひご覧ください。
ワクワク!ドキドキ?エレクトーン即興アンサンブル第三弾
子どもたちが作曲したピアノソロ曲を、加曽利康之、鳥居達子お二人のエレクトーンプレイヤーが即興でアンサンブル曲にする大人気の講座。今回題材となった曲は、朝山結比(あさやまゆい)さん(小2・写真中)の『ぶどうがりのおもいで』と、山下悠翔(やましたはると)さん(小6)の『~Tomorrow~変奏曲』。
しっとりとしたメロディーの部分にはチェンバロの音色で、曲の最後はフルオーケストラにティンパニやシンバルが加わり華やかに変わっていくのを「ゴージャスになって嬉しい」と山下さんがコメントすると、「即席で考えて弾いて…ドタバタだったけれど、喜んでもらえてよかった」「本当にワクワク、ドキドキでした」と加曽利さんが応じ、会場を沸かせました。
江原陽子といっしょに歌おう!~みんなだいすき!ヤマハのうた~
「ヤマハ音楽教室」の教材の歌唱にも携わっている、歌手の江原陽子さん。この日はその中から『ねこねこでんわ』『大きな古時計』『もくばのゆめ』など8曲を選曲し、曲の解説を加えながら歌声を披露しました。
曲が始まると、子どもたちはすぐに体を揺らしたり手をたたいたり、立ち上がったり。日頃のレッスンと同じように大きな声で歌い出し、とても楽しそう。「幼児科」教材の収載曲『だいすき!』を歌う時は、「目の前にいる人たちがだ~い好き!という気持ちでうたっているの」と江原さん。心に響く澄んだ歌声とともに、子どもたちもステージに上がり元気いっぱいの歌声を響かせると、客席で見守る保護者の方々も立ち上がり、『だいすき!』の大合唱となりました。
第47回インターナショナルジュニアオリジナルコンサート(IJOC)
子どもたちが心に感じたことを音楽にし、自ら演奏するジュニアオリジナルコンサート(JOC)。1972年に始まり、現在では年間3万5千曲もの子どもたちのオリジナル曲が国内外で生まれ、発表されています。その中から、メキシコ、アメリカ、インドネシア、マレーシア、中国、そして日本の11組の子どもたちが出演した「第47回IJOC」が、「ヤマハ音楽教室 ジュニア・ミュージックフェスタ」のハイライトとして開催されました。
1曲目は、メキシコのミルドレッド ローレン シエンフエゴスさん(12歳・写真右)の『El Cha Cha Cha de La Cucaracha』。ディエゴ ウリサス チャゴヤ ロサレスさん(12歳・同左)とともにエレクトーンで、インドネシアからのパーカッションメンバーと楽器での楽しい会話を繰り広げます。チャチャチャのリズムに乗せた賑やかなパーティのようなアンサンブルに、客席からも大きな歓声があがりました。
2曲目は船津光佑(ふなつこうすけ)さん(10歳)が、立花紗世(たちばなさよ)さん(10歳)とのピアノ連弾で『気まぐれ機関車の夢の冒険』を。鍵盤の上でふたりの指が追いかけっこをするように動き、やんちゃな機関車の様子が目に浮かぶよう。優しい息づかいもぴったりでした。
次に登場した藤井きらりさん(11歳)は、エレクトーンソロで和の楽器表現にこだわった『浄瑠璃姫に想ひを馳せて~矢作の軌跡~』で壮大な音絵巻を繰り広げ、続く会沢枢(あいざわくるる)さん(10歳)は、雪景色の移り変わる様子をピアノソロで。『変奏曲「雪景色」』はピアノの音色にもこだわった演奏で、鮮やかなバリエーションを響かせました。マレーシアのチョン コック ヒンツ イサックさん(13歳)は、エレクトーンソロで伸びやかなフュージョン『Northern Lights』を。空間に音を放つようなスケールの大きなプレイで、会場を魅了しました。
ピアノと、温かな音色のユーフォニアムとのアンサンブル曲『In Memory of Rocky』を演奏したのは、アメリカのカイリー シェイ スミスさん(13歳・ピアノ)。豊かな感情が込められた作品と、同じように表情豊かなインタビューでも会場をとりこにしました。医療の分野にも興味があり、将来は音楽を用いたセラピストのような仕事に就きたいとのこと。
第1部のラストは中国の刘洋(リォウ ヤン)さん(15歳)が、武加文(ウー ジャー ウェン)さん(10歳)とのエレクトーンデュオで飾ります。「どんな道も諦めずに歩き続けることが大切」というメッセージを込めた『路』を、壮大なオーケストラサウンドに乗せて勇壮に奏でました。
第2部は、JOC恒例の「即興演奏」からスタート。今回は先の講座に出演した歌手の江原陽子さん(写真右)が、2小節のモチーフを二つ用意。これを一つ選び、その場で曲に展開、演奏したのは、ピアノの会沢枢さん(同中)。非和声音も忍ばせたオシャレな響きのバリエーション豊かな曲に仕上げ、会場からは盛大な賛辞の拍手が贈られました。
会場の興奮をさらにあおったのは中村圭佑(なかむらけいすけ)さん(10歳)のエレクトーンソロ『怪盗紳士~怪盗と名探偵の戦い』。スリリングなブラスジャズを、パフォーマンス性豊かな演奏で楽しませてくれました。繊細な曲の変化とダイナミックな演奏を披露したのは、『ピアノソナタ「追求~限りない可能性へ~」』を演奏した鳥居春菜(とりいはるな)さん(15歳)。
インドネシアのフィオナ ナタリー サンジャヤさん(15歳・ピアノ)は、ピアノ、アコーディオン、パーカッションのアンサンブルで、情熱的な『Bravura』を。ヨーロッパの異国情緒をオシャレに織り込んだラテンジャズ風のナンバーが、とても魅力的でした(この曲のメンバーは、1曲目のパーカッション奏者としても活躍していました)。
最後は15歳、これがJOC最後の作品となる村田沙耶(むらたさや)さんの『愛と祈りと祝福を』。エレクトーンとパーカッション二人とのアンサンブルで、オルガンの荘厳な響きを交えた温かさと生命力を感じさせる1曲が会場を大きく包み込みました。
素晴らしい感性を音楽で表現しきった若きアーティストたちへ、大きな大きな拍手の渦。歓声も大きく、国際色豊かなステージが夏休みの最後を彩りました。