ヤマハ音楽支援制度は2010年度より「地域音楽活動支援」をスタートし、地域への音楽普及や音楽文化向上の視点で演奏や創作の活動に取り組む音楽グループ・団体への支援を行っています。2015年度も、幅広いジャンルと活動でいずれも活発に音楽の素晴らしさを地域に伝える76件が対象となりました。 今回は下記団体の活動リポートをご紹介します。
- ・団体名:マリンバアート∞インフィニティ(愛知県名古屋市)
- ・協 力:ツルタ楽器
- ・実施日:2015年9月6日(日) 名古屋市東文化小劇場
- ・活動内容:「レクチャー&コンサート」
活動のきっかけは、愛知県高浜市「やきものの里かわら美術館」での瓦を使った演奏を依頼されたことでした。まず3人で打楽器アンサンブルを結成。その後、更に様々な編成の曲を演奏するために、若手の育成を含めてメンバーを増やしました。 メンバーは、主にクラシックのプロ打楽器奏者の仲間たちや、その師弟関係の人などで、愛知県・岐阜県・静岡県から集まっています。 普段の活動は、自主公演の他、幼稚園や学校での演奏、ファミリーコンサートなどの依頼が多く、「奏者と聴衆が一体となって楽しめるコンサートを」を合言葉に活動しています。 打楽器アンサンブルには、大小様々な種類の楽器が数多く必要なため、その調達、保管場所、運搬、練習会場などいろいろ苦労する点も多いのですが、お客様の笑顔と温かい拍手、また「面白かった」「楽しかった」といった感想や、「次はいつ?あの活動は続けていくべき」などの言葉がとても励みになり、活動の支えとなっています。
今回の「レクチャー&コンサート」を行うにあたっては、地域の打楽器音楽のレベル向上に少しでも役立てるよう、日頃から、アマチュア打楽器奏者の方々と会話したり、学校の吹奏楽部の指導を行う中で、疑問点や知りたい事柄をリサーチし、打楽器をやっている人対象の企画としました。 内容も一般的な打楽器の演奏会とは視点を変え、前半は大太鼓やティンパニなどの大物打楽器について、奏法だけでなく音響学的なアプローチで音の波形や倍音構成をスクリーンに映すなど音を可視化して「いい音」のレクチャーを。 後半は、吹奏楽関係のコンテストで演奏される曲の楽譜を投影し、演奏のコツを解説。様々な演奏サンプルを披露し、お客様と一緒に考察をしました。 また、打楽器アンサンブル曲の出版楽譜がまだまだ少ないため、地元作曲家に委嘱しディスカッションしながら仕上げていく企画も試みました。 来場者数は105名。打楽器経験者が多かったようで、かなり専門的な内容も良く理解いただけ、温かい雰囲気で進めることができました。 終演後のお客様アンケートでは、「とてもためになった。教わったことを学校に帰ってすぐに試したい」「打楽器は楽しい!と改めて思った」「演奏すごかったです。これからも活動続けて下さい」などの嬉しい言葉をたくさんいただくことができ、出演したメンバーも達成感を味わうことができました。