音楽をより専門的に学ぶ意欲のある学生、将来有望な若手音楽家、音楽研究者らの活動をバックアップするために、幅広い支援を展開しているヤマハ音楽支援制度。5つの支援項目のうち「音楽活動支援」の対象者に、東京・銀座のヤマハホールでの演奏機会を提供しています。今年度の「ヤマハ音楽支援制度 音楽活動支援コンサート2016」を、2016年5月25日(火)26日(水)の2夜にわたり開催しました。
開演前から出演者と同世代の若者を中心に幅広い世代の観客が多数来場され、場内は賑わっていました。
第1夜の第1部に登場したのは、東京音楽大学ピアノ演奏コースに在籍する埴原麻由さん。山梨県南アルプス市出身ということもあり、山梨からも多数の観客がかけつけました。前半は、トイピアノやウインドチャイム、タンバリン、サンバホイッスル等、ピアノ以外の楽器も使ったアレンジで、ディズニーソングを中心に披露。観客からは盛んな拍手が贈られました。後半では、ラヴェルの『ラ・ヴァルス』を熱演。この日のステージは「愛」をテーマにしたという埴原さん。幼い子どもと母の微笑ましい愛、男女の激しい愛、祖国への大きな愛…と、さまざまな「愛」を見事な演奏で表現しました。
「素晴らしいホールで、大勢のお客様の前で演奏させていただくことができ、皆さんに喜んでいただけたことが何よりありがたく嬉しかった」と語りました。
第2部は、桐朋学園大学音楽学部出身の長山恵理子さん(ヴァイオリン)による『詩曲』(ショーソン)で始まりました。長山さん自身が「とても大事にしている」という曲を、ピアノ(久保山菜摘さん)との共演で披露しました。2曲目は、本番で初めて弾いたという『ヴァイオリン・ソナタ イ長調』(フランク)を、見事なテクニックと表現力で演奏し、会場全体が豊かなヴァイオリンの響きに魅了されました。
圧倒的な集中力で観客をひきつけたヴァイオリン演奏とは対照的だったのが、楽曲の合間のコメント。細かな曲目紹介やこのステージへの想いなどをやさしい口調で語り、それまでの空気とは一変して、会場が和やかな雰囲気となりました。「秋からロンドンの英国王立音楽院に留学予定」という長山さん。「その前にコンサートができたことに感謝します。今後につながる貴重な機会をいただき、心から感謝します」と語りました。