ヤマハ音楽支援制度は2010年度より「地域音楽活動支援」をスタートし、地域への音楽普及や音楽文化向上の視点で演奏や創作の活動に取り組む音楽グループ・団体への支援を行っています。2016年度も、幅広いジャンルと活動でいずれも活発に音楽の素晴らしさを地域に伝える77件が対象となりました。 今回は下記団体の活動リポートをご紹介します。
- ・団体名:宇都宮男声合唱団(栃木県宇都宮市)
- ・協 力:上野楽器
- ・実施日:2016年6月26日(日) 栃木県総合文化センター サブホール
- ・活動内容:「宇都宮男声合唱団 創立15周年記念コンサート」
この合唱団は、混声合唱団のメンバーであった男性有志が、男声コーラスを楽しみたいという思いから15年前に創立しました。当初は、合唱の経験者が多かったのですが、毎年シルバー世代の初心者の方が入団されるようになり、現在では団員数45名、平均年齢は75歳をこえています。このようなメンバー構成ですが、毎月熱心な指導者のもとで、ボイストレーニングに重点をおいた基本を重視した練習を行っています。月2回の練習なので、一つの曲を完成するのには時間を要しますが、あまり欲張らずにゆっくりと練習しています(練習後の懇親会もメンバーの楽しみの一つでもあります)。牛歩ではありますが「できないことができた」という達成感は、いつも全員が味わえていると感じています。
毎年、宇都宮市の芸術祭、市民合唱祭、男声合唱フェスティバルに参加しており、これらを目標に計画的に活動していることがメンバーの励みになっています。 昨春・今春と2年連続で、国際シニア合唱祭「ゴールデンウェーブin横浜」に参加しました。おかげさまで、昨年は「神奈川県知事賞」今年は「講評者賞」をいただくことができました。
今回のコンサートは創立15周年記念で、初めての団単独での開催でしたので、指導者とも相談し、これまでに経験してきたものの集大成として、日本歌曲、コミカルな曲、外国曲をはじめ、楽器演奏や賛助出演なども加えて、バラエティに富んだ内容となるように工夫しました。
当日は500名の会場がほぼ満席で、来場者も他のコーラスグループの方や、団員の関係者なども多く、アットホームな雰囲気に包まれて大いに盛り上がりました。 本番のステージで、アンコールを含め一度に19曲も歌いきったこと、またそのための練習もこれまでに経験のないほどの量を(老体に鞭打って(笑))消化してきたことで、メンバー全員が達成感と満足感でいっぱいでした。
終演後、来場者アンケートを300通以上いただき「素晴らしかった。元気と感動をいただいた」「目をつむって聴いていると年齢を感じさせない若い声」「男声合唱を初めて聴いたが、重厚で迫力のある演奏に驚いた!」などお褒めの言葉を多数いただきました。また「言葉がはっきりしない」「ハーモニーをもっと工夫して欲しい」など指導的なコメントもいただき、これらはありがたいご意見として今後の練習の参考にさせていただきたいと思います。
これまで生涯学習の一環ともいうべきチャレンジ精神で積み上げてきた、親しみのある団の個性を、これからもさらに発展させていきたいと思います。 また、今まで参加したイベントにとどまらず、地域の各種施設での慈善活動なども行いながら、男声合唱の魅力を多くの皆様に知っていただき、併せて「文化の薫る美しい街 宇都宮」のために少しでも貢献できればと願っています。