ヤマハ音楽支援制度は2010年度より「地域音楽活動支援」をスタートし、地域への音楽普及や音楽文化向上の視点で演奏や創作の活動に取り組む音楽グループ・団体への支援を行っています。2016年度も、幅広いジャンルと活動でいずれも活発に音楽の素晴らしさを地域に伝える77件が対象となりました。 今回は下記団体の活動リポートをご紹介します。
- ・団体名:カノン(愛媛県四国中央市)
- ・協 力:大阪屋
- ・活動内容:「幼稚園・保育園でのミニコンサート」
NPO法人「カノン」は、平成18年8月に障がいのある子どもたちのための音楽活動「音楽くらぶ」を始めたことがきっかけで、療法的音楽活動(注1)サークルとしての活動をスタートし、現在に至っています。
普段の活動は、定期的な音楽療法(注2)、及び障がい者や高齢者の療法的音楽活動、地域の子育て支援の場での親子音楽あそびや、幼稚園・保育園でのミニコンサート、イベントへの出演など、音楽を通して幅広い年代の方々と交流しています。 いずれの活動も、参加してくださる方々の年代や性別等を考慮し、誰もが楽しんでいただける内容となるよう心がけています。
今回ご紹介させていただく四国中央市内の幼稚園・保育園でのミニコンサートは、年間を通じて月1,2回のペースで行っています。ここでは、特に情緒面での発育が著しい幼児期に、CDやDVDではなく実際に演奏しているところを見たり聴いたりしてもらうことで、音楽に親しみを持ち、バランスのとれた心身の発達を促し感動する心を育てたいという思いで実施しています。 これまでの経験から、園児の皆さんが1時間近く集中できるようなプログラムを組むよう常に意識しています。
今回、誕生日会の後にコンサートを実施した幼稚園では、3歳児も含めた子どもたち全員が先生と一緒に楽しんで参加し、木琴・シンバルの音にとても感動してくれました。そして最後は全ての園児とハイタッチをしてお別れしました。
また、家族参観日に、小学校の体育館を使って大人数で開催した幼稚園もあるなど、実施形態もバラエティに富んでいます。 毎回のことですが、子どもたちは皆熱心に聴き、また元気に身体を動かして応えてくれます。そして6手連弾やアンサンブルに目を輝かせて聴き入ってくれる姿にはいつも感動させられます。そんな子どもたちを前に、演奏では毎回緊張感でいっぱいです。
来年度には「カノン」10周年に記念イベントとして、新沢としひこさん、長谷川義史さんの絵本コンサートを企画しています。 これからも、定期的な活動を継続していく中で、できるだけ多くの幼稚園・保育園でのコンサートを開催していきたいと思います。
(注1) 音楽を生かした活動の中で、音楽の持つ素晴らしい力を皆さんに知っていただき、健康促進、心身のリラックス、生活機能の回復・維持・向上に役立てていけるような活動
(注2) 音楽の持つ生理的・心理的・社会的働きを、心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上に向けて、意図的、計画的に活用して行われる治療的、教育的技法
「NPO法人 カノン」ホームページ:http://mckanon.jimdo.com/