ヤマハ音楽支援制度は2010年度より「地域音楽活動支援」をスタートし、地域への音楽普及や音楽文化向上の視点で演奏や創作の活動に取り組む音楽グループ・団体への支援を行っています。2016年度も、幅広いジャンルと活動でいずれも活発に音楽の素晴らしさを地域に伝える77件が対象となりました。 今回は下記団体の活動リポートをご紹介します。
- ・団体名:町田フィルハーモニー交響楽団(東京都町田市)
- ・協 力:京浜楽器
- ・活動内容:「障がい者福祉施設における音楽演奏」
町田フィルハーモニー交響楽団は、1974年秋の町田市民祭「24万人の個展」でオーケストラの結成を呼びかけたことを契機に、市内在住の指揮者 荒谷俊治氏を音楽監督・常任指揮者として迎え「町田市民管弦楽団」(後に現団体名に改称)として発足しました。メンバーは、町田市及び周辺地域の20代~70代までの幅広い年齢層のアマチュア音楽家たちで、約80名による構成です。
当団のモットーは「すばらしいアマチュアオーケストラを目指し、音楽を通じて相互の親睦研鑽を深め、あわせて地域音楽文化の発展向上に努めること」としており、主な活動は、年2回の定期演奏会のほか、市内の他の文化芸術団体と一緒にベートーヴェンの『第9』やオペラ・バレエの公演などを行っています。
しかしその一方で、ホールでのこれらの演奏会にお越しになることが難しく、生の音楽に触れる機会の少ない方にも、私たちの演奏を聴いて、音楽の素晴らしさを体験していただきたいという思いで、室内楽のアンサンブルを編成し、2014年より地域の福祉施設を中心にミニコンサートを開催しています。
今回ご紹介する障がい者福祉施設でのコンサートは、昨年12月に実施したものです。福祉施設の演奏では、比較的良く知られたクラシックの名曲や、季節にマッチした曲、アニメや映画の音楽などをバランス良くプログラミングし、音楽を身近なものと感じていただけるよう心がけています。
通常は、堅苦しい雰囲気にならないよう司会者を起用して(今回は都合で司会者なしでした)、時には会場の皆さんと一緒に歌ったり、また楽器に少しでも興味を持っていただけるよう楽器紹介を取り入れるなどの工夫をしています。
今回のコンサートは、開演前はにぎやかな雰囲気だったのですが、いったん演奏が始まると、皆さんとても音楽に集中されているのが分かりました。
また演奏終了後にはアンコールのお声もかけていただき、リクエストにお応えしました。
福祉施設のコンサートでは、いつも感謝のお言葉をいただきますが、それが大変励みになっています。また、聴いてくださる皆さんが思わず踊りだすこともあり、演奏を本当に楽しんでいただけているのだな、と嬉しい気持ちになります。
私たちは、好きで音楽活動をしていますが、それが自分たちのためだけにとどまらず、地域の皆さんに喜んでいただけるので、また頑張ろうという気持ちになります。
今後も、こうした音楽活動をもっと増やしていきたいと思っていますが、そのためには、私たちの活動についてもっと知っていただく必要がありますので、広報活動も積極的に行っていこうと思います。
町田フィルハーモニー交響楽団: http://mpso.jp/