ヤマハ音楽支援制度は、優れた音楽能力を有し、将来音楽分野で活躍が期待される若手音楽家への支援として「音楽奨学支援」(13歳以上~25歳以下)を実施しています。
今回は2017年度の支援対象者で、現在、シュトゥットガルト音楽演劇大学大学院で打楽器を専攻されている樋渡希美さんにお話を伺いました。
プロフィール:樋渡希美(ヒワタシ ノゾミ)1994年生まれ、埼玉県さいたま市出身。シュトゥットガルト音楽演劇大学・打楽器・ソロマスター・大学院2ゼメスター在籍(2月末時点で半年終了)。
打楽器を中学校の部活動で始める。高校よりマリンバを始め、菅原淳、石内聡明、西久保友広、一丸聡子の各氏に師事。2013年 東京音楽大学に入学。菅原淳、神谷百子、久保昌一、村瀬秀美の各氏に師事。
2014年8月 第8回安倍圭子国際アカデミーを受講。
2016年3月 TROMP国際打楽器コンクール in 2016 マスタークラス受講。
同年 7月 MOZARTEUMインターナショナル・サマー・アカデミーを大学より奨学金を得て受講。
同年 9月 14TH ITALY PERCUSSION COMPETITION マリンバ部門(カテゴリーB)第2位受賞。
音楽を始めたきっかけ
姉がヤマハ音楽教室に通っており、私も4歳からヤマハ音楽教室幼児科に入会しました。ジュニア専門コースなどを経てヤマハには大学に入学するまで通っていましたが、その間さまざまな音楽を経験しながら、最終的に自分の専攻である打楽器にたどりつきました。
支援制度応募のきっかけ
もともとドイツに留学したかったのですが、「できるだけ親に負担をかけずに自分の力で海外に出たい」と大学の教授に相談したところ、この支援制度について教えていただきました。
今まで印象に残った経験、レッスン
イタリアの国際コンクールと東京音楽大学の卒業演奏会、オーケストラとコンチェルトの共演などはとても強く印象に残っています。そこで特に感じたのは、自分自身が演奏しながら音楽を純粋に楽しめたとき、聴衆の皆さんも同じように楽しんでくださっているのだということでした。私はコンクールで良い結果を出すことに必死になってしまっていたのですが、「音楽は競争の道具ではなくて、人を楽しませてくれる素晴らしいものなのだ」とあらためて初心にかえることができました。
レッスンは、一回一回それぞれ全てが印象に残っているのですが、何よりもドイツに来て初回のレッスンで、自分の欠点をズバッと指摘されたことが衝撃的でした。
影響を受けた音楽家・ミュージシャン、好きな音楽
まず、師でもあるマリンバの神谷百子先生、そしてピアノのグレン・グールド、同じく高橋悠治、作曲家兼ピアニストのニコライ・カプースチンです。
好きな音楽ジャンルは、クラシック、ジャズ、現代音楽です。
今後取り組んでいきたい勉強・音楽
特に打楽器のソロ曲や室内楽、現代音楽に力を入れて勉強していきたいと思っています。国際コンクールにもたくさん挑戦し、結果を残すだけではなく、世界に「樋渡」の音楽を伝えていきたいと思います。また日本人として、邦人作品の素晴らしさを世界に広めていく人間の1人となれるように頑張ります。
それから、自分でカスタネットを演奏しながらフラメンコを踊りたいです。また、カスタネットを使った新作の創作などにも貢献したいとも思っています。
現在、大学の打楽器の学生の大半が男性で占められていますが、男女では体の使い方が大きく異なるため、作品によっては体力的に演奏するのが難しいこともあります。それを克服するためにも体づくりにも力を入れていきたいと思います。
最後に、できれば2年以内にはドイツでリサイタルを開催できるように頑張ります!
樋渡さんの演奏動画がYouTubeで公開されています。
『Anders Koppel:Marimba Concerto No.1よりmov.1.3』(彩の国芸術劇場音楽ホール)
『Takatsugu Muramatau :Land』(シュトゥットガルト音楽大学大ホール)