ヤマハ音楽支援制度は、優れた音楽能力を有し、将来音楽分野で活躍が期待される若手音楽家への支援として「音楽奨学支援」(13歳以上~25歳以下)を実施しています。
今回は2018年度の支援対象者で、現在、兵庫県立西宮高等学校音楽科2年生で、作曲を専攻されている、梅井美咲さんにお話を伺いました。
プロフィール:梅井美咲(ウメイ ミサキ)2002年3月3日生まれ。兵庫県加古川市出身。
4歳よりピアノ、6歳よりエレクトーン・作曲を始める。ヤマハ音楽教室出身。
兵庫県学生ピアノコンクール東播地区A部門金賞、B部門銀賞、D部門銅賞。
アールンピアノコンペティションC部門にて金賞、グランドファイナル、プレミアファイナルの三冠受賞。ヤマハヤングピアニストコンサート推薦演奏会出演。
ヤマハのエレクトーンコンクール(JEF・JEC・YEC)グランドファイナルにて、小学生低学年の部銀賞、高学年の部金賞、中学生の部、高校生・一般の部にてファイナリスト賞。JOCハイライトコンサートin Osaka に 2014年、2017年に出演。
現在、兵庫県立西宮高等学校音楽科作曲専攻2年生。クラシックの作曲を学ぶ傍ら、ポピュラーからジャズまで幅広いジャンルの作曲と演奏に取り組み、独自の音楽性を探究している。これまでにピアノを田村厚子、宇野桂子、今岡淑子、エレクトーン・作曲を野島幸子、作曲理論・和声法を葛西敏子、佐井孝彰の各氏に師事。
音楽を始めたきっかけ
母が自宅でピアノ教室をしていたので、ピアノの音をいつも身近に感じながら育ちました。幼少期には、ピアノ教室の生徒さんが弾いていたピアノ曲や、兄たちが聴いていたポピュラー曲を耳で聴きとっては弾いていたそうです。ヤマハ音楽教室に通い始めてから、ピアノもエレクトーンも親に懇願して習い始めた記憶があります。
印象に残った経験
2018年6月22日~24日の3日間(5公演)、上原ひろみさん、熊谷和徳さん.Kendrick Scott Oracleの皆さんが出演されたライブのオープニングアクトとして、石井陽太(サックス)、梅井美咲(ピアノ)、坪田英徳(ドラム)の3人で『My favorite things』を20分間演奏させていただきました。これは、人気の青春ジャズ漫画「BLUE GIANT」(ビッグコミック)発のライブイベント『BLUE GIANT NIGHTS』(ユニバーサルミュージック主催)のオーディションで優勝して実現したものです。
毎ステージ、一音一音、全身全霊を込めて演奏し、今までに感じたことのない緊張感と興奮を覚えました。アンコールは出演者全員のセッションで憧れのアーティストの皆さんと同じ舞台に立たせていただき、刺激的でもあり楽しくて仕方がなかったです。
最終公演の後、自分のベストの力以上を出し尽くせた喜びと、楽しい時間が終わってしまった悲しみが同時に溢れて来て、涙が止まりませんでした。また、関係者の皆さま、応援してくださった皆さまに支えられたという感謝の気持ちでいっぱいになりました。またこのような大舞台に立てるように、これからも地に足をつけてしっかり学んでいこうと決心した決定的な経験となりました。
影響を受けた音楽家
私が影響を受けた音楽家は、上原ひろみさんと塩谷哲さんです。小学生の時にエレクトーンのレッスンで先生がジャズを聴いてみたらと言ってくださいました。そこで出会ったのが上原ひろみさんの作品です。初めて聴いた時の感動と衝撃は今でも忘れられません。(まさか10年後に上原ひろみさんと一緒の舞台に立てるとは夢にも思いませんでした)
ジャズの魅力に引き込まれた私は、それ以降、たくさんのミュージシャンの曲を聴きジャズに没頭するようになりました。
そして、エレクトーンコンクールのために選曲をしたり、耳で聴き取ってアレンジをするためにジャズをさらに聴くようになりました。そこで出会ったのが塩谷哲さんの音楽でした。塩谷哲さんの作品をたくさん聴き、ライブに足を運び、耳で聴き取り演奏したりするうちに塩谷さんのパワーと繊細さに憧れを強く抱きました。
また、ジャズライブの他に、フランス音楽のピアノコンサートをされたり、テレビの教育番組の音楽を手がけられていることにもとても感銘を受け、ジャズの世界と同時にクラシック音楽の大切さも感じました。
「お二人の音楽に出会ったから音楽を志した」といっても過言ではありません。憧れであり尊敬するお二人です。
好きな音楽
私はジャズもクラシック音楽も大好きです。
好きな作曲家がたくさんいて挙げきれないのですが、特にフランス音楽が大好きで、ドビュッシーやラヴェルを聴いたり弾いたり分析したりしています。
フランス音楽独特の和声感や抽象的な響きはジャズに通じるものがあると思うので、これからも作曲のレッスンで積極的に学んでいきたいと思います。
また、古典的な音楽をベースにジャズの和声や技法を駆使した作風が魅力的なニコライ・カプースチンの曲を弾いて楽しんでいます。
今後取り組んでいきたい音楽
今まで以上にクラシック音楽を深く学ぼうと思っています。過去何百年と残っているクラシック音楽は宝物だと思います。学校でオーケストラの編曲をさせていただける機会が多いので、管弦楽法をしっかり学びたいです。
また、今後は自分でライブを企画するなど、もっと積極的にセッションに参加し経験を積みたいです。最近はインターネットでたくさんのアーティストのライブ動画を見たり、コンサートにも行っています。
演奏することも大好きですが音楽を聴くことも大好きなので、今まで聴いたことのない曲やアーティストと出会うことによって自分の幅を拡げていきたいです。
新しい音楽を創り出すためには、「古きを学び、今を学ぶ」ことが大切だと思っています。
チャレンジしたいこと、将来の夢など
今回、海外のアーティストの方々と共演し感じたのですが、もっと英語で会話ができるように語学力を身につけたいと思いました。また、音楽の引き出しをたくさん作るためにジャズの本場であるアメリカに渡りたいです。そして将来は、世界中の人に自分の音楽を届けたいと思います!