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トピックス ヴェラ・ゴルノスタエヴァ先生の想い出に
~日本の門下生によるピアノコンサート~

2016.05.13
集合
  • 日 時:2016年4月26日(火)
  • 会 場:ヤマハホール
  • 出 演:三浦友理枝/吉永哲道/鈴木弘尚/馬場みさき/上原彩子(出演順、敬称略)

ピアニストとして、教育者として大きな功績を遺したロシアの名教師、ヴェラ・ゴルノスタエヴァ氏(1929~2015)を偲び、かつてヤマハマスタークラスでヴェラ氏に学んだ5名のピアニストたちが集い、ヤマハホールにてコンサートをおこなった。師への感謝と尊敬を胸に、それぞれがこの日のために選んだレパートリーを演奏した。また、1部の最後には全員がステージに勢揃いし、一人ずつヴェラ氏との懐かしい思い出やエピソードを披露するシーンもあり、満員の会場は温かい雰囲気に包まれた。

三浦

三浦 友理枝

ショパン/マズルカ Op.59-1,2
バラード第4番 Op52
ヴェラ氏から学んだレパートリーのうち最も多いのがショパン作品であり、「十代はショパンとともにあった」と語る三浦は恩師への感謝を込め、ショパン晩年の2曲を選んだ。
『マズルカ』は音の陰影が鮮やかに際立ち、なめらかな音色とともに観客をさっそくロマン派の世界へと引き込んだ。続く『バラード』では次々と変化する曲想を力強く美しく、豊かに表現した。みずみずしい感性の時期に積み重ねた研鑽にピアニストとしての経験が加わり、安定感のある演奏でコンサートの幕開けを飾った。

吉永

吉永 哲道

J.S バッハ=ブゾーニ/コラール前奏曲“来たれ、異教徒の救い主よ”BWV659
リスト/2つの伝説よりを渡るパオラの聖フランチェスコ”
ヴェラ氏とはヤマハマスタークラスでの出会いに始まり、モスクワ音楽院修了まで18年間に渡り師事した吉永。文学や絵画を引き合いに音楽を説いてくれた師の教えが、自身の音楽への真剣な思考を形成したという。『コラール前奏曲』は静謐なメロディを支えるように低音が響き、深い祈りの意を表すかのような真摯な表現が印象に残った。『2つの伝説』では左手の重厚なフレーズと壮大なメロディが見事に溶け合い、ドラマティックな魅力に満ちた演奏を聴かせた。

鈴木

鈴木 弘尚

リスト/死の舞踏 S.525
シューベルト=リスト/白鳥の歌 S.560,R245より 9.春の憧れ
自身のパガニーニ狂詩曲(ラフマニノフ)のレッスンの際に「怒りの日」の例としてヴェラ氏が弾いた『死の舞踏』の凄まじさに圧倒された思い出を持つ鈴木は、師の教えに応えるべくこの曲に臨んだ。不穏な響きが続く冒頭から息をのむような緊張感にホール全体が包まれる。続く超絶フレーズや大胆なパッセージを、全身のエネルギーをひとつひとつの音に注ぐような精巧なテクニックで見事に弾ききった。『白鳥の歌』では空気を一変させ、ヴェラ氏への限りない思慕が表れた澄んだ音色に客席から温かな拍手が贈られた。

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