
中島みゆき
ニューアルバム「ララバイSINGER」が大好評!
2年ぶりの全国ツアーに期待高まる

ニューアルバムが大きな反響を呼んでいる中島みゆき
冬きたりなば春とおからじ。桜の話を…。
「桜らららら」。デビュー当時の中島みゆきが、日本画(太田桜)を扱ったTV番組のために書いたという。その曲から始まるのが昨年11月に発売された『ララバイSINGER』。桜にたとえられる。
TOKIOが歌いヒットチャート首位を獲得した「宙船(そらふね)」、その中島ヴァージョンはなやかな桜。その他、あでやかな桜ともいえる工藤静香への提供曲「Clavis ―鍵―」などの中島ヴァージョンも収録。
一転、梶井基次郎の短篇『桜の樹の下に』の、余りにも有名な冒頭文に通じる、静かさと深さをたたえるのが「水」。夜桜のつぶやきが「お月さまほしい」。
桜を愛したと言われる西行は、願はくは花の下にて春死なん、と詠った。
“しかし、その前に”と歌うのは「重き荷を負いて」。(願わくは)頑張ってから死にたいな、のリフレインは鳥肌もの。
春の象徴でもある桜。中島の故郷での開花宣言は五月。その点では、桜の香りとともに蘇る思い出が「五月の陽ざし」。頬を桜色に染める女性の横顔が浮かぶ。
これら収録曲すべては問いかけてくれる。桜も人も、恋も夢も、散るために咲くのか、咲くために散るのかと。アルバムを締めくくり、再び冒頭へと導く「ララバイSINGER」。デビュー曲「アザミ嬢のララバイ」のメロディを一部引用したこの曲で、あの頃も今も今からも、子守歌うたいである自身を描き出そうとしたのか。咲いては散り、散っては咲く桜のような時の流れを映し出そうとしたのか。ちなみにアルバム・ジャケットは、桜吹雪のなかに佇むララバイシンガーにも見えるが…。
約3年ぶりのオリジナルアルバムは、今年もまた咲き誇るとの予報でもあるだろう。そのお花見会がコンサート。2年ぶりとなる全国ツアーも予定されているとのこと。各地での中島桜、みゆき桜の繚乱が、嗚呼、待ち遠しい。
(文・藤井徹貫)

