卒業生編

かつてJOCに出演、学んだ頃の皆さんの
エピソードをご紹介♪

桝井美結さん
インタビュー(ますいみゆう)音楽専科教員

現在、小学校の音楽専科教員を務めている桝井美結さん。7歳の頃からインターナショナルJOCなどに多数出演されています。JOCの思い出や、現在のお仕事を目指すきっかけ、お仕事の様子などを伺いました。

現在、小学校の音楽専科教員を務めている桝井美結さん。7歳の頃からインターナショナルJOCなどに多数出演されています。JOCの思い出や、現在のお仕事を目指すきっかけ、お仕事の様子などを伺いました。

― ヤマハの音楽教室にはいつから通われていたのでしょうか?

3歳児ランド(当時)から通っています。両親ともに音楽関係の仕事をしていたこともあり、音楽が身近な環境で、家でも音楽を聴くのが大好きだったので自然な流れで通わせてもらったという感じで。最初の頃の記憶はあまりないのですが、とても楽しかったことは覚えています。

「第38回 IJOC」に出演。手前が桝井さん(2009年11月Bunkamuraオーチャードホール)

― JOCでの思い出を教えてください。

小学校6年生のときに友人との共作で、インターナショナルJOC(IJOC)に出演させていただきました。5年生のときに創り、6年生の終わりごろまでずっと向き合った曲なので、少しずつ想像力を付け加えて成長させられたり、自分の曲を弾き続けることがとてもよい経験になりました。オーチャードホールという大きな舞台でどれだけ緊張するかと思いましたが、大きな分、客席が遠くて暗いので客席がよく見えず、「クラスコンサートより逆に緊張しないね」と、友人と話したことも覚えています(笑)。

小学4年生の時に出演した「JOC シティコンサート」ではフルートと共演

― 現在、小学校の音楽専科の先生をされていますが、いつ頃なろうと思われたのでしょうか?

20歳の頃です。JOCやヤマハの音楽教室は高校受験を機にやめていたので、高校時代は軽音楽部などで楽しんでいた程度。大学も一度は英文科に進んだのですが、将来を考えたときにやはり音楽の仕事がやりたいと思い、音大に入り直したんです。音大で教職課程の勉強をし、学童でのアルバイトを経験するなかで、音楽を子どもたちに教える仕事に惹かれていきました。

― お仕事の大変なことや楽しいことを教えてください。

授業のメインが合奏になるのですが、木琴や大太鼓などを一人で準備しないといけなかったり、子どもたちを大きな声でまとめるなど想像以上に体力勝負なところが大変でしょうか(笑)。それでも、合奏や合唱でうまくいったときに拍手して喜んだり、音楽で一体になったことを感じてくれている姿を見られるととても嬉しいですね。コロナ禍でやりたいことができないもどかしさはあるのですが、鑑賞が多くなる中で、生のピアノ演奏でいろいろな曲を聴かせられたのは、ヤマハで培った音楽力の強みだと思っています。子どもたちのリクエストに応えて『廻廻奇譚』や『うっせぇわ』を即興で弾いたり、長調の曲を短調にしたりすると驚いたり喜んだりしてくれます。

勤務先の学校の音楽室にて

― 他に、ヤマハ音楽教室やJOCでの経験がお仕事に生きていることはありますか?

音楽の力はもちろんなのですが、人前に立つ度胸と瞬間的に動ける柔軟性は、ヤマハの教室で鍛えられた部分かな、と思っています。人前での演奏を何度も経験させてもらいましたので、大人数の前に立っても緊張感はありますが動けなくなるようなことはありません。柔軟性は即興演奏で次々に切り換えて考える力を付けてもらったおかげで、例えば子どもたちが予想外のことをしてもパッと体が動くんです。多分、他のお仕事に就いていたとしても生かされた部分なのかなと感じています。

― ヤマハで学ぶ子どもたちへ、メッセージをお願いいたします。

練習が大変なこともあるかもしれませんが、先生が教えてくださることを大切に身に付け、自分から音楽を楽しむようにレッスンを続けていけば、きっと自信につながると思います。
JOCで創った曲は、他にない自分の財産にもなるはず。私は教えてもらった曲創りがとても楽しくて、今でも趣味として続けていて、母や友人と一緒に演奏しているんです。プロにならなくても、ずっと音楽を楽しんでいってもらえたらいいなと思います。

プロフィール
東京都出身。両親ともに音楽に関わる仕事をする環境で、音楽に囲まれて育つ。3歳児ランド(当時)からヤマハ音楽教室に通い、7歳からJOCに参加。第38回インターナショナルジュニアオリジナルコンサートに、友人との共作によるピアノデュオ組曲で出演した。大学英文科に在籍中、さまざまな経験から音楽の道を志し、ほぼ独学で受験準備をし桐朋学園芸術短期大学へ入学。卒業後、小学校の音楽専科教員として3年生から6年生を担当している。

文:神田麻央