音楽支援事業開く
活動リポート:佐藤桂菜(チェロ)
2021年度の支援対象者で、現在、ジュリアード音楽院に在籍されている佐藤桂菜さんにお話しを伺いました。
現在勉強していること
中学を卒業後、ボストンにある芸術高校、ウォールナットヒルスクール・フォー・ジ・アーツに留学し、現在はニューヨークのジュリアード音楽院に在籍して3年になります。
ソロをデイヴィッド・フィンケル先生とクララ・キム先生に学び、また室内楽やオーケストラをレベルの高い友人や先生方に刺激を受けながら勉強しています。
高校そして大学共に芸術学校で、さまざまなジャンルのアートに触れてきました。特に大学1年生の頃に、ダンサー、そして舞台俳優のみんなと即興で舞台を作り上げたのはとても刺激的でした。
音楽理論、ソルフェージュの他に一般教養の授業も取っていて、日々勉強に追われています。
音楽を始めたきっかけ
ベビーシッターのお宅のお子さんがチェロを習っており、すごく興味津々に聞いていた私にチェロを勧めてくださったようです。母はヴァイオリンを習わせようとして、レッスンの見学に連れて行ったのですが、私が余程落ち着きがなかったのか、見かねて恩師の故久保田顕先生が、「元気な桂菜ちゃんにはチェロの方が合っているんじゃない?」と勧めてくださいました。久保田先生はとても厳しく、なかなか新しい曲に進めませんでした。またクラスコンサートで周りの子がどんどん新しい曲を弾いていたのがとても悔しくて、私も早くあの曲が弾けるようになりたいと思うことが原動力になっていたように思います。
林良一先生との出会い
中学に上がるとき、恩師が亡くなられてしまいどうしようかと思っている時に、知人の紹介で林良一先生に出会いました。今でも忘れられないのが、最初のレッスンでボッケリーニのチェロコンチェルトを弾き、わずか10小節も弾かぬうちに先生に止められ、もう結構ですと言われてしまったことです。
そこからは毎週基礎ばかりのレッスンで、中学生になるまでエチュードというものを知らなかった私に、一から根気よく教えてくださいました。先生からは音楽の厳しさ、そしてチェロを弾く楽しさをたくさん学ばせていただきました。おそらく林先生に出会っていなければ、今の私はいなかったと思います。
今後の目標
2016年にアメリカに留学してから6年が経とうとしています。この期間で英語が話せるようになったことで世界の広さを学び、音楽を通してさまざまな文化に触れることができました。残り一年の大学生活が終わったら、大学院に進学したいと考えています。尊敬する大好きなバッハやベートーヴェンが過ごした街で、肌で現地の音楽を感じながら勉強できたらと考えています。また新しい言語にチャレンジすることによって、違う文化に触れ、音楽の表現の幅を広げられたらと思っています。
佐藤桂菜(Keina Sato)さんプロフィール
- 2000年 愛知県大府市出身
- 3歳よりチェロを始める
- 中学卒業後単身渡米、ボストンのウォールナットヒルスクール・フォー・ジ・アーツに入学、同時期に、ニューイングランド音楽院・プレパラトリースクールをダブルスクールで学び、2019年に卒業
- 現在、ニューヨークのジュリアード音楽院3年生
奨学生としてデイヴィッド・フィンケル、クララ・キムの各氏に師事
- 2019年 NHKラジオ「リサイタル・ノヴァ」に出演
- 2020年 第74回全日本学生音楽コンクール全国大会大学の部第1位、併せて毎日新聞社奨励賞、NHK会長賞受賞
- 2020年 第2回国際モスクワ音楽オンラインコンクール弦楽器部門18歳以上の部第1位
- 2020年 イギリスのキングス・ピーク音楽オンラインコンクールチェロ部門第1位
- 2021年 第42回霧島国際音楽祭受賞
- 2021年度、2022年度 ロームミュージックファンデーション宮田大マスタークラス選抜
名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団等と共演、また小澤征爾、竹澤恭子、金子三勇士、清塚信也等の各著名人と共演の他、多数のソロリサイタルを行う
これまでに、故久保田顕、廣岡直城、林良一、林裕、中木健二、花崎薫、山崎伸子、エマニュエル・フェルドマンの各氏に師事
<今後出演予定の演奏会>
- 2022年6月19日(日) 佐藤桂菜チェロ・リサイタル ―父の日コンサート―
14:00開演(13:30開場) おおぶ文化交流の杜allobuこもれびホール
- 2022年6月26日(日) 大府市学友協会管弦楽団 第50回記念定期演奏会
13:30開演(13:00開場) 愛三文化会館 もちのきホール
- 2022年8月20日(土) 佐藤桂菜チェロ・リサイタル
15:00開演(14:30開場) 宗次ホール