ヤマハ音楽支援制度
2011年度「音楽活動支援」「研究活動支援」授与式を開催

優秀で意欲的な音楽学生、社会人、音楽家や研究者の方々の活動を支援し、音楽文化の向上に寄与することをめざして実施されているヤマハ音楽支援制度。その中の2011年度「音楽活動支援」「研究活動支援」の対象者が決定し、2月28日、ヤマハ音楽振興会本部にて認定証の授与式が行われました。
本年度は、「音楽活動支援」に4組(応募数19件)、「研究活動支援」に2名(応募数52件)の方々が選ばれ、「音楽活動支援」対象者にはヤマハホールにおける「音楽活動支援コンサート」への出演、また「研究活動支援」対象者には2011年4月から2012年3月のあいだに行われる活動に対しての研究活動費の援助を通して支援がおこなわれます。
式では、ヤマハ音楽振興会理事長の伊藤修二がお祝いの言葉と支援制度5部門についての概要を述べたあと、認定証を授与。また企画・研究内容の紹介では、各対象者が活動の状況やコンサートへの抱負、研究テーマについて熱っぽく語りました。

音楽活動支援

ピアノデュオ
向山彩さん・村松映美さん

2011年5月12日(木) ヤマハホール「音楽活動支援コンサート vol.1」に出演

5月のコンサートでは、あまり聴かれることのない「みだれ」という曲から、ルトスワフスキーの「パガニーニの主題による変奏曲」やミヨーの「スカラムーシュ」など耳なじみのある曲まで、2台ピアノの楽しさを味わっていただけるプログラムを用意しています。コンサートを通じて、私たちがこの編成に感じている魅力をみなさまに伝え、2台ピアノの演奏の場が広がっていくとうれしいです。(村松映美さん)

音楽活動支援

メルヴィル弦楽四重奏団
大塚百合菜さん・吉野駿さん・古屋聡見さん・小林幸太郎さん

2011年5月12日(木) ヤマハホール「音楽活動支援コンサート vol.1」に出演

結成から約1年半、メルヴィル弦楽四重奏団も、音楽の方向性が次第にまとまりカルテットとしての音が少しずつ出せるようになってきました。コンサートでは、私たちの特徴である活発さと技巧的な面を楽しんでいただけるよう、ベートーヴェンの「ラズモフスキー第3番」と、ハイドン「ひばり」を演奏します。これからも、我々のできる最上限の音楽に挑戦していきたいと考えております。(小林幸太郎さん)

音楽活動支援

マリンバソロ
飯野智大さん

2011年11月11日(金) ヤマハホール「音楽活動支援コンサート vol.2」に出演

マリンバのオリジナル曲というと、「むずかしい」という印象を持つ方も多いと思いますが、実際には聴きやすい曲もたくさんあります。特にアメリカのマリンバ作品にはそういうものが多く、コンサートではそんなアメリカ人作曲家の曲ばかりを集めて演奏する予定です。今までのマリンバのイメージをくつがえすとともに、この楽器のよさを新たに発見していただきたいと思います。

音楽活動支援

シュピール室内合奏団
本橋隼人さん・大岡三佐子さん・倉愛花理さん・深澤智美さん・清水美咲さん・丁晃子さん・染野真澄さん・高橋宏樹さん

2011年11月11日(金) ヤマハホール「音楽活動支援コンサート vol.2」に出演

私たちの団体は、7つの管楽器とピアノという特殊な編成で活動しています。言ってみれば吹奏楽をコンパクトにしたような、今までありそうでなかった新しいスタイルで、その音楽は、吹奏楽をやられている方はもちろんのこと、あまり縁のない方もどなたにでも楽しんでいただけると思います。このおもしろい響きを、ヤマハホールでみなさまにお届けできればと思っております。(本橋隼人さん)

研究活動支援

沖田孝一さん
北翔大学 生涯スポーツ学部スポーツ教育学科 教授

研究テーマ:神経成長因子からみた楽器演奏が脳機能に与える影響

音楽その他の芸術は健康増進のための有効な手段だと言われますが、その効果を客観的に評価するのはこれまで困難でした。この研究では、神経細胞の寿命、成長および維持に中心的な役割を果たし、学習、記憶、認知機能に深く関連しているBDNFという神経成長因子に注目し、楽器演奏とBDNFの増加の関係について検証していきます。この研究が、医学的研究と音楽文化研究の橋渡しになればと考えております。

研究活動支援

古川優貴さん
一橋大学大学院 社会学研究科 博士後期課程

研究テーマ:文化的・身体的差異を超えた音楽経験の人類学的研究

これまで2年間にわたりケニアの聾学校に住み込み、彼らの日常のコミュニケーションに着目した調査を行ってきましたが、その中で「耳のきこえない子どもたちが伴奏のない状態で複数人そろって踊る」という場面を目撃しました。これを可能にしているのは何か…それがこの研究のテーマです。研究を通して、文化的・身体的差異を問わない新しい視座を子どもへの音楽教育法に加えられればと思っております。

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