活動リポート:島 圭祐(テューバ)

島 圭佑

2025年度、2026年度の支援対象者で、現在ドイツを拠点に研鑽を積まれている島 圭佑さんにお話しを伺いました。

現在勉強していること

私は現在、ハノーファー音楽演劇メディア大学のイェンス・ビョルン=ラーセン教授のもとで学んでいます。先生とは2014年、北海道ユーフォニアム・テューバ協会主催のミュージックキャンプで出会いました。先生の演奏は唯一無二で、まるで舞台を観ているかのように聴衆を惹きつけます。当時中学生だった私にとって、その体験は大きな衝撃であり、留学を決意するきっかけとなりました。
念願が叶い、2023年10月から現在まで先生のもとで勉強を続けています。先生は常に、良い音色と音楽に対して妥協することなく指導してくださいます。特に音楽表現については、細部に至るまで多くのアイディアをお示しになり、一方で、それらを決して押し付けることはなく、私が納得しているかを確認しながら、考えや意見を尊重してくださっています。「音楽に正解はない」という言葉をいただき、深く印象に残っています。先生に納得していただける演奏ができたとき、それは良い音楽ができている証だと感じており、毎回のレッスンを大切に受けています。

イェンス・ビョルン=ラーセン教授と初めて出会った時のマスタークラス

イェンス・ビョルン=ラーセン教授と初めて出会った時のマスタークラス

クラスコンサート、終演後の記念撮影

クラスコンサート、終演後の記念撮影

私たちのクラスは世界的に見ても規模が大きく、世界各国から学生が集まっています。さまざまなバックグラウンドや個性を持つ仲間と切磋琢磨できることは、非常に恵まれた環境だと感じています。
共に練習し、仕事をしながら友情を築き、互いに刺激し合えるこの環境の中で、多くのことを学んでいます。お互いの成功を素直に喜び合える関係を築けていることも、大きな支えとなっています。
将来それぞれの道に進んだとしても、連絡を取り合いながら情報交換を続けていきたいと思える友人に出会えたことは、私にとってかけがえのない財産です。

テューバ四重奏リハーサル時

テューバ四重奏リハーサル時

金管五重奏メンバーとの、終演後の記念撮影

金管五重奏メンバーとの、終演後の記念撮影

また、大学の友人たちと金管五重奏を結成し活動しています。ロシア、ウクライナ、イギリス、中国、日本という多国籍のメンバーで、互いに刺激を受けながら楽しく活動しています。皆でベルリンのコンクールに参加したことは、特に印象に残っています。コンクール前日にはウクライナ料理のボルシチを味わい、終了後の打ち上げでは中国の牛肉麺を楽しみ、宿では日本のアニメを観るなど、音楽だけでなく文化交流の面でも忘れられない経験となりました。

金管五重奏メンバーとの打ち上げ

金管五重奏メンバーとの打ち上げ

音楽を始めたきっかけ

音楽に興味を持ったきっかけは、小学3年生の時のリコーダーの授業です。鍵盤ハーモニカの授業は苦手で泣いてしまうこともありましたが、リコーダーは純粋に楽しく、夢中で練習していました。
その頃、映画 「スウィングガールズ」 を観たことをきっかけに、トロンボーンに興味を持ちました。ちょうど通っていた小学校に吹奏楽同好会があったため体験入部に参加したところ、人数の関係でユーフォニアムを担当することになり、その1年後にはテューバを担当するようになりました。
当初は吹奏楽を楽しく演奏することに夢中でしたが、札幌交響楽団テューバ奏者、玉木亮一先生のソロを聴いたことで、テューバでソロを演奏することに強い関心を持つようになりました。その頃から、次第にプロを目指したいという思いが芽生えていきました。

小学5年生、テューバ1年目

小学5年生、テューバ1年目

学友とのオーディション参加時

学友とのオーディション参加時

影響を受けた音楽家

コロナ禍において、国際テューバ・ユーフォニアム協会主催のコンクールに参加しました。その際の審査員の一人がロジャー・ボボさんでした。ボボさんはソリストおよび教育者として多大な功績を残した伝説的なテューバ奏者です。
ボボさんに委嘱された作品を演奏した際、「It’s a mini Roger!」とコメントをいただきました。これまで何度もCDで聴いてきた方からそのような言葉をいただけたことは、大きな喜びであり、忘れられない経験となりました。2023年に逝去されましたが、現在もなお目標とする音楽家の一人です。

2019年来日時、マスタークラス後、ロジャー・ボボさんとの記念写真

2019年来日時、マスタークラス後、ロジャー・ボボさんとの記念写真

印象に残った経験

国際テューバ・ユーフォニアム協会主催のカンファレンスにも参加しました。世界各国から集まった演奏家が一堂に会し、朝から晩まで講習会やコンサートに触れる経験は、非常に大きな刺激となりました。スペイン大会を担当された主催者の方は、過去の大会に参加された経験を持ち、その経験を通してスペインでも開催したいという思いを強められたそうです。その長年の思いが実を結び、今回の開催に至ったと伺いました。その実現までの過程に、歴史の重みとそれを次世代へと繋いでいく意義を強く感じました。

参加者でのアンサンブル

参加者でのアンサンブル

参加者でパエリア作り体験をしました

参加者でパエリア作り体験をしました

今後の目標

私の目標は、オーケストラに所属することです。そして将来的には教育者として、次世代へ音楽を繋いでいきたいと考えています。これまでお世話になった先生方の教育活動があったからこそ、現在の自分があります。その恩恵を次の世代へと繋ぎ、テューバおよび音楽業界の発展に貢献していきたいです。
テューバは比較的歴史の浅い楽器であり、2035年には生誕200周年を迎えます。その歴史の一員として貢献できるよう、今後も精進していきたいと考えています。そのためにも、これまで築いてきた方々との関係、そしてこれから出会う人々との繋がりを大切にしながら、協力し合い活動していきたいと思います。

島 圭祐(KEISUKE SHIMA)さんプロフィール

2000年生まれ 北海道出身
2020年 第18回東京音楽コンクール金管部門入選
2021年 国際テューバ・ユーフォニアム協会主催 VTEC Solo Competition(20〜23歳の部)優勝
2022年 日本ユーフォニアム・テューバ協会主催 第6回JETA学生ソロコンクール シニア部門第1位
2024年 第39回日本管打楽器コンクール テューバ部門第2位
2024年 第13回秋吉台音楽コンクール テューバ部門第1位および山口県知事賞受賞
2025年9月 ビュッフェ・クランポン・ジャパン主催テューバショールーム スペシャルイベントにてミニリサイタルを開催

北海道教育大学岩見沢校音楽文化専攻、芸劇オーケストラ・アカデミー・フォー・ウインド第8期生を経て、2026年 ハノーファー音楽演劇メディア大学修士課程を最高得点にて修了
PMF2026オーケストラ・アカデミー メンバー
これまでにテューバを玉木亮一、Jens Bjørn-Larsen、Vikentios Gionanidis、Constantin Hartwigの各氏に師事、現在ドイツを拠点に研鑽を積んでいる