活動リポート:原田 斗生(クラシックギター)
2025年度、2026年度の支援対象者で、現在、英国王立音楽院の修士課程に在籍されている原田 斗生さんにお話しを伺いました。
現在勉強していること
現在、イギリスにある英国王立音楽院(Royal Academy of Music)の修士課程に在籍しており、1年次を修了しました。
学校では主に、技術向上を目的としたレッスンをはじめ、室内楽、アレンジの勉強、ヨガなど、さまざまなカリキュラムに取り組み、充実した日々を送っています。
特にヨガと瞑想は今年から始めた新しい取り組みです。演奏前に瞑想を行うことで、以前よりも高い集中力で演奏に臨めるようになり、その効果を実感しています。
ギターに関しては、現在レパートリーの幅を広げることに力を入れています。イギリスで学んでいるにもかかわらず、これまでイギリス人作曲家の作品をあまり演奏してこなかったため、現在はウィリアム・ウォルトンがギターのために作曲した作品や、これまであまり取り組む機会のなかったルネサンス時代のジョン・ダウランドの作品など、さまざまなレパートリーを並行して学んでいます。
また、現在師事している先生は運指を非常に重視されており、一小節ごとに丁寧な指導をしてくださいます。
そのため、毎回のレッスンは時間が足りないと感じるほど充実しており、多くの学びを得ています。
英国王立音楽院
演奏会前の写真
音楽を始めたきっかけ
私は3歳の頃、従兄の影響でギターを始めました。
実は幼い頃、事情があってしばらく従兄の家で過ごしていた時期がありました。その頃、従兄がギターを習っていたことから、私も自然と興味を持ったそうです。
最初はウクレレから始めました。当時、ギタリストの村治佳織さんがテレビに出演している姿を見て、その演奏を真似しながら夢中でウクレレを弾き、指から血が出るほど熱中していたと聞いています。
その後、村治佳織さんの父である村治昇氏に師事しました。母の支えを受けながら毎朝練習に励み、コンクールや発表会にも積極的に参加しました。
そうした幼少期からの経験が、現在の負けず嫌いな性格や挑戦する姿勢の土台になっていると感じています。
中学・高校は音楽専門の学校ではなく、立教池袋高等学校に通いました。特に高校時代はギターよりもテニスに打ち込み、部活動中心の生活を送っていました。
しかし、高校卒業を控えた頃に改めて自分の将来について考えた結果、ギターの道に進むことを決意しました。
幼い頃から続けてきたギターですが、時には義務感から練習していた時期もありました。
それでも留学を経験した今では、自信を持って「ギターが好きだ」と言うことができます。
幼少期の演奏会での写真
ウクレレを奏でる自分
印象に残っていること
留学2年目には、私が長年憧れていた世界的ギタリストであるジョン・ウィリアムス氏にお会いする機会に恵まれました。
あるオーディションでは審査員がジョン・ウィリアムス氏お一人だけという特別な場で、彼の前で演奏を披露し、少しお話をさせていただくこともできました。
また、幼少期に日本で行われた彼の最後の公演にも足を運んでいたので、その際のチケットと自身のCDをお渡しすることができました。
私にとって非常にかけがえのない経験となりました。
また、コンクールやコンサートを通じてイギリス国外へ赴く機会も多く、これまでに20か国以上を訪れています。
ギターコンクールは多くの場合フェスティバルの一環として開催され、マスタークラスやコンサートにも参加できるため、そこで出会う仲間と互いに刺激し合いながら成長できる点に大きな魅力があります。
また、イギリスとは異なる街の雰囲気や文化に触れ、各地のギターフェスティバルでできた友人たちとの出会いも、私にとってかけがえのない経験となっています。
イギリスでは教会で演奏する事が多いです
ギターフェスティバルで出会った仲間たち
先日、ロンドンで開催されたThe Worshipful Company of Musiciansより、「The Prince’s Prize 2026」を、先生の前で受賞しました。
この受賞は、これまでの歩みを振り返る中で非常に感慨深い出来事となりました。
国際コンクールでの写真
コンクール優勝後に恩師との写真(The Prince’s Prize 2026)
今後の目標
今後は演奏活動の機会がさらに増えていく中で、一つひとつの演奏において皆様の期待を超えられるよう、常に高い意識を持って臨みたいと考えています。
また、レパートリーについてもこだわりを持ち、演奏する国や地域に応じて選曲を工夫しながら、有名曲のギター編曲作品なども積極的に取り入れ、コンサートで発表していきたいと思っています。
今後は世界的なコンクールにも積極的に挑戦し、これまで学んできたことを最大限に活かしながら、より良い演奏を追求していく所存です。
さらに現在はギターの指導にも携わっており、主に初心者の方を対象としていますが、今後はプロを目指す方やコンクールに挑戦する方など、より専門性の高いレベルの指導にも取り組んでいきたいと考えています。指導の対象を広げることで、自身の教育者としての幅も広げていきたいです。
イタリアでのコンサートの写真
原田 斗生(TOI HARADA)さんプロフィール
2001年神奈川県横浜市生まれ、3歳よりクラシックギターを始める
村治昇、金庸太の両氏 師事、立教池袋高等学校卒業後、英国王立音楽院(ロンドン大学) より奨学金を得て学士課程に入学、数々の国際コンクールにて優勝
2019年ファーストアルバム「To-i」をリリース、レコード芸術の特選盤に選ばれる
現在、英国王立音楽院修士課程にてマイケル・ルーウィン氏に師事
【受賞歴】
英国音楽家名誉組合「プリンス賞2026」受賞
ジョン・ウィリアムスによる審査の結果、ロンドンでもっとも権威のあるジュリアン・ブリーム賞を4年連続受賞
2026年 フローニンゲン国際ギターコンクール(オランダ)第1位
2025年 ホアキン・ロドリゴ国際ギターコンクール(ポーランド)第1位、及び最優秀演奏賞を受賞
2025年 セゴビアオンラインコンクール (イタリア)第1位
2025年 アイヴァー・マイランツ・アワード(イギリス)第1位
2024年 アルバニア国際ギターコンクール(アルバニア)第1位
2024年 イダ・プレスティ国際ギターコンクール(クロアチア)第1位
及びベストパフォーマンス・イダ・プレスティ賞を受賞
2024年 ギターアートフェスティバル(セルビア)第1位
2024年 ブリュッセル国際ギターコンクール(ベルギー)第1位
2024年 マルク国際ギターコンクール(アルバニア)第1位
2023年 ヴェリア国際ギターコンクール(ギリシャ)第1位
2023年 ラスト国際ギターコンクール(オーストリア)第2位
2022年 アルボーグ国際ギターコンクール(デンマーク)第2位、及び聴衆賞を受賞
2019年 イーストエンド国際ギターコンクール優勝
2018年 ジュニアギターコンクール最優秀賞
2014年 学生ギターコンクール優勝
- 原田 斗生(クラシックギター)
- 島 圭祐(テューバ)
- 垣内 響太(ヴァイオリン)
- 小嶋 早恵(ピアノ)
- 松本 拓也(ファゴット)
- 児玉 隼人(トランペット)
- 古澤 香理(ヴァイオリン)
- 今井 理子(ピアノ)
- 竹本 百合子(ヴァイオリン)
- 山影 頼楓(ヴァイオリン)
- 大谷 恵理架(クラシックギター)
- 水野 魁政(ピアノ)
- 郡司 菜月(ヴァイオリン)
- 嘉屋 翔太(ピアノ)
- 水越 菜生(ヴァイオリン)
- 森本 隼太(ピアノ)
- 平井 菜々子(ハープ)
- 島方 瞭(ヴァイオリン)
- 佐藤 桂菜(チェロ)
- 片岡 友紀(クラリネット)
- 井上 陽南子(ピアノ)
- 宇野 由樹子(ヴァイオリン)
- 森田 啓佑(チェロ)
- 荒井 里桜(ヴァイオリン)
- 柴田 花音(チェロ)
- 藤原 秀章(チェロ)
- 新田 吏央(マリンバ)