ヤマハ音楽支援制度
2011年度 音楽奨学支援 留学奨学支援 授与式が開催されました

さる4月27日、ヤマハ音楽支援制度の「音楽奨学支援」(優れた音楽能力を有し、将来音楽分野で活躍が期待できる若手音楽家への支援)、および「留学奨学支援」(海外の教育機関に留学し、演奏家・作曲家をめざす人への支援)の2011年度認定証授与式をヤマハ音楽振興会本部で行いました。本年度支援対象者となったのは、音楽奨学支援11人、留学奨学支援3人で、最長3年間にわたる月額10万円の支給を通し、学習および留学を支援します。

式では、ヤマハ音楽振興会理事長の伊藤修二がお祝いの言葉を述べ認定証を授与。その後各対象者が今後の抱負や目標を1人ひとり語り、また式の最後には対象者代表として、チェロの伊東裕さんがバッハの「無伴奏チェロ組曲」を、ピアノの阪田知樹さんがシューベルト=リスト編の「魔王」を披露し、これからの活躍を期待させる素晴らしい演奏に、集まった関係者からは大きな拍手が送られました。

音楽奨学支援

川崎 槙耶さん

14歳/神奈川県横浜市出身/湘南白百合学園中学3年/専攻:ピアノ

支援対象者に選んでいただき本当にありがとうございます。将来の選択肢が増えたことにとても感謝しています。これからは表現力をもっと磨き、多角的に音楽をとらえられるよう、いろいろな先生のレッスンを受け、セミナーに参加し、またコンクールやリサイタルなどの大きな舞台に立って自分を磨いていきたいと思います。

阪田 知樹さん

17歳/神奈川県横浜市出身/東京芸術大学音楽学部附属音楽高校3年/専攻:ピアノ

これまで私は演奏に際して、自分が今まで考えてきたことをいかに正しく表現できるかということを考えてきました。しかし昨年から今年にかけて、海外で演奏する機会を多く持ったことで、それだけでは不十分であることがわかりました。これからは、音楽という言語を通じて、聴衆の方々とコミュニケーションを取れるような音楽家をめざしていきたいと思います。そのために今後は、ピアノ以外の分野や音楽以外の芸術にもっと触れ、またレパートリーも増やしていきたいと考えています。

鉃 百合奈さん

18歳/香川県高松市出身/東京芸術大学1年/専攻:ピアノ

私はこの春、大学生になりました。本来なら夢と希望にあふれている時ですが、東日本大震災で被害にあわれた方々を目の当たりにし、自然の恐ろしさ、自分の無力さを痛感しています。その上で、自分に何ができるのかと考えた時、やはり私には音楽しかないと思いました。これからは、聴いている人が温かい気持ちになったり、苦しみや悲しみが少しでも癒されるような演奏をめざして、自分の心を豊かにし、また人の痛みがわかるような心を持てるよう精神的に成長していきたいと思います。

水谷 桃子さん

19歳/兵庫県神戸市出身/東京芸術大学2年/専攻:ピアノ

最近、音楽とは本当に奥深く正解のないものだと感じています。特に本番前になると、どうしてもネガティブになってしまいます。そんな時自信を持って舞台に立てるよう、支援制度を生かして尊敬する先生方のレッスンや海外のセミナーを積極的に受けたいと思います。今年で二十歳になり、正直不安とあせりでいっぱいですが、今は目の前にある本番を一つひとつ全力でこなし、そしていつか私の心の奥底から湧き出るような音楽ができるよう、そしてそれにともなう結果が出せるよう精進していきますので、よろしくご支援お願いいたします。

伏木 唯さん

20歳/北海道札幌市出身/東京芸術大学3年/専攻:ピアノ

今年はリサイタルなど演奏させていただく機会が多いので、一つひとつのステージを大切にしていきたいと思っています。また作曲家独自の音色を引き出すことを目標とし、それに加え、自分の世界観を出していける芸術家をめざしたいと思います。
日本では東日本大震災という大変な出来事がありましたが、その中で音楽を続けられる喜びと感謝の気持ちを忘れずに、これからも日々努力していきたいと考えております。

城戸 かれんさん

16歳/東京都杉並区出身/東京芸術大学音楽学部附属音楽高校2年/専攻:ヴァイオリン

このたびは奨学生に選出していただきありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです。と同時に大きな責任も感じます。
私は将来、たくさんの人に音楽の楽しさや喜びを伝えられるような音楽家になりたいと思っています。そのためには、これから技術的にも音楽的にも、もっと勉強していかなければいけないと思います。また、室内楽やオーケストラなど、あらゆる面から音楽を見て、よりいっそう自分の音楽を探究していきたいと思います。頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

横島 礼理さん

19歳/東京都練馬区出身/桐朋学園大学2年/専攻:ヴァイオリン

音楽の様式というのは作曲家と演奏家が共同で作り上げてきたものだと思います。今、僕が興味を持っている現代の音楽は多様的ですが、将来はそういった作曲家から信頼されるような演奏家になって、彼らとともに音楽を発展させてゆきたいと思っています。そのためにはバロック、古典派、ロマン派などの音楽から学ばなければならないことがたくさんありますが、この支援制度を最大限に生かして勉強していきたいと思います。また僕はアンサンブルが大好きなので、自分でグループを結成し、幅広いレパートリーで演奏活動をしていきたいです。

大野 若菜さん

17歳/東京都練馬区出身/東京芸術大学音楽学部附属音楽高校3年/専攻:ヴィオラ

私は、ヴィオラをアンサンブル楽器としてだけでなく、ソロ楽器として、その魅力を伝えられるようなプレイヤーになりたいと思っています。
そのためにヴィオラのオリジナル曲をたくさん学び、また現代音楽にも積極的に取り組みたいです。ヴィオラのキャリアはヴァイオリンより10年遅いので、これから経験を積み重ねて、国際的に活動できるように幅広く勉強していきたいと思っています。

伊東 裕さん

18歳/奈良県生駒市出身/東京芸術大学1年/専攻:チェロ

この春、大学に進学しました。それまでは奈良の普通高校に通っていて、まわりの人が音楽をやっていない状況でチェロを勉強してきたのですが、大学では毎日みんなが楽器を演奏しているという新鮮な環境の中で、先輩や先生など多くの人から刺激を受けて練習しています。自分がこれまでできていなかったことがいろいろわかってきたので、これからはそういった点をまず改善し、また海外の講習会や国際コンクールも受けたいと思っています。

五十嵐 冬馬さん

17歳/新潟県長岡市出身/東京芸術大学音楽学部附属音楽高校3年/専攻:フルート

去年、自分が卒業した小学校の音楽会で演奏する機会がありました。実は僕も小学生の時、その音楽会で先輩が演奏するのを聴いてフルートをはじめたので、僕のような人が出てくればいいなと思っていたのですが、しかしクラシックだからということもあるのでしょうが、演奏の最中に子どもたちが騒いだりして、自分はまだまだ未熟なんだと痛感させられました。これからは、僕の演奏を好きだと言ってもらえるような演奏家になっていきたいと思います。

伊藤 優里さん

18歳/山梨県甲府市出身/東京芸術大学1年/専攻:フルート

このたびは奨学生に選んでいただき、とてもうれしく思っています。これから国際コンクールや海外セミナーに参加できると思うと、とてもわくわくしています。大学生になったこれからは、アンサンブルやオーケストラなどたくさんのことに挑戦し、聴いてくださる方の心が温まるような演奏をめざして頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

留学奨学支援

山口 真広さん

24歳/神奈川県横浜市出身/英国王立音楽院 留学予定(東京音楽大学大学院卒)/専攻:ピアノ

人前で話をしたり自分をアピールすることが苦手な私にとって、ピアノを弾くということは自分を表現する手段。音楽の力を持ってすれば人間が本来持っている感情や本能、根源的エネルギーも呼び起こすことが可能ではないかと考えています。現に私は、肺の手術のため2度入院しましたが、その時音楽は、安らぎや生きるエネルギーを与えてくれました。クラシック音楽の勉強を本格的にはじめたのが中学3年とスタートが遅かった私にとって、今でも練習や人前での演奏は、毎回新しい発見の連続です。昨日よりも今日、今日よりも明日をモットーにこれからも研鑽に努めたいと思います。

米元 響子さん

26歳/東京都文京区出身/マーストリヒト音楽院大学院2年(エコール・ノルマル音楽院卒)/専攻:ヴァイオリン

言うまでもありませんが、音楽家への道のりというのはとても長く、そして厳しいものです。音楽大学を卒業したからといって明日からプロになれるという保証もありません。本当に好きでなければ続かないと思います。また、音楽を集中して勉強するためには家族の支え、まわりの人のサポートも必要です。そんな中で、このように勉強する機会を与えていただける私は本当に幸せ者だと思います。最近、はじめて初心者の子にヴァイオリンを教えはじめました。最初は私のほうが構えてしまっていたのですが、その子が「とても楽しい」と言うのをきいて、音を楽しむという初心を思い出したような気がしました。これからもその初心を忘れずに、音楽と寄り添いながら長い時間をかけて一生成長していけたらと思っております。

徳永 真一郎さん

23歳/徳島県徳島市出身/パリ国立高等音楽院 留学予定(ストラスブール国立音楽院)/専攻:ギター

この度は留学奨学生に選出していただき誠に有難うございます。
これからは奨学生として、音楽院で学びながら国際コンクールやフェスティバルに意欲的に参加し、音楽に対する造詣を深めていきたいと思います。
今後ともご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

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