「日本音楽教育学会第48回愛知大会」が2017年10月21日(土)、22日(日)の2日間にわたり開催され、ヤマハ音楽研究所が研究発表を行いました。
日本音楽教育学会は、音楽教育に関する研究協議を行い、その国際的交流をはかり、音楽教育の学術振興に資することを目的に活動している団体です。学術的研究の発表会および研究協議会等を中心に年に1度大会が行われていますが、今回は第48回全国大会として愛知教育大学(愛知県刈谷市)で開催され、台風が迫るあいにくの悪天候にもかかわらず、大学教員、音楽科教員、大学院生など多くの方が参加されました。
大会では、同大学の後藤ひとみ学長による基調講演「教育改革の中に問われる教師の力量とその育成」と、シンポジウム「音楽を教える人材とは?これからの音楽科教員に求められること」が行われた他、参加者・団体による研究発表、プロジェクト研究、パネルディスカッション、ラウンドテーブル、ワークショップなどを実施。研究発表は口頭発表、ポスター発表の形態で、音楽教育に関するさまざまなテーマで行われ、音楽教育への関心の高さがうかがえました。
ヤマハ音楽研究所では、「ヤマハ音楽教室における鍵盤ソルフェージュを核とした音楽教育システム構築のプロセス」をテーマに2014年から調査・研究を進めてきました。その知見を「『ヤマハ音楽教室の創設とテキストの編纂』-1950~60年代前半における音楽教室の実態-」と題し、ヤマハ音楽教室創設期の時代背景、ピアノ教育、学校音楽教育との関連を分析。創設期に関わった関係者へのヒアリングをもとに創成期の実態と教育メソッドの誕生についてまとめ、小山文加氏(東京藝術大学)が研究発表を行いました。参加者に興味を持って聞いていただくことができ、発表後の質疑も活発に行われました。