開催まで約2週間とせまった「ヤマハ・ガラ・コンサート2015」。東京フィルハーモニー交響楽団と、M.ラヴェルの『ピアノ協奏曲 ト長調』で共演する佐久山修太さんにお話をうかがいました。
佐久山さんは、現在東京都内の音楽高校に通う3年生。お母様がピアノ講師をされていた影響もあり、2歳のころからヤマハ音楽教室に通い、中学校2年から現在のヤマハマスタークラス特別コースに在籍。師事する吉永哲道先生から、昨年末に「ヤマハ・ガラ・コンサート2015」への出演が決まったことを聞き、とても嬉しかったそうです。
M.ラヴェルの晩年の深みを表現したい
オーケストラとの共演は初めてなのですが、今回はヤマハ音楽教室の先輩でもある三ツ橋敬子さん、東京フィルハーモニー交響楽団の皆さんと一緒に演奏できるので、とても楽しみです。ラヴェルは、これまであまり弾いてきていないのですが、今回演奏する『ピアノ協奏曲ト長調』は好きな曲です。この曲はピアノとオーケストラが対抗している感じの協奏曲ではなく、お互いを高めあうような、引き立てあうような感じで表現されています。派手な一面も多いのですが、そこだけではなく、ラヴェルの晩年の深みも表現したいと思います。コンサート当日は、ぜひそこをポイントに聞いてほしいです。
ピアニストとしてだけでなく…
好きなピアニストは、巨匠ホロヴィッツ、サンソン・フランソワ、そして師匠でもある吉永哲道先生です。 最近は、交響曲がマイブームになってまして…、特にマーラーにはまっています。将来はプロの音楽家を目指したいと思っていますが、ピアノだけでなく作曲や指揮などにも興味があり、いろいろなことをやってみたいです。まずは、大学のピアノ科へ進学して、できれば将来留学もしたいと思っています。
「学校の勉強では数学や理科が好きなんですが、3年生になってからは授業がなくなってしまって…」と残念そう。また、地図が好きで、よく地図帳の後ろに載っているいろいろな資料やデータを見たり、動物の生態系(特に爬虫類)に興味がある、という意外な一面も見せてくれた佐久山さん。練習の合間のよい気分転換になっているのかもしれません。 6月3日には、初めてのオーケストラとの練習があるそうです。少々緊張気味でしたが、コンサート本番では素晴らしい演奏が聴けることを楽しみにしています。
【『ピアノ協奏曲 ト長調』曲目解説】
あまりにも有名な「ボレロ」で知られるモーリス・ラヴェル(1875~1937)は、フランスのバスク地方出身の作曲家です。このピアノ協奏曲は、1929年に作曲に着手、同時期に書かれたもう1曲の「左手のためのピアノ協奏曲」とともに、彼の晩年の傑作とされています。
比較的小規模な編成で、演奏時間も20分程度、伝統的古典協奏曲の構成をとっていますが、民謡やジャズをはじめとする多彩な要素が用いられており、ラヴェルらしい繊細なピアノの旋律と、華麗なオーケストレーションが混じり合う変化に富んだ作品になっています。目まぐるしい両端楽章に挟まれた第2楽章は、木管楽器とピアノのかけあいが絶妙であり、ラヴェルの作品の中でも際立った美しい音楽として親しまれています。
当初は作曲者自身がピアノで初演することを望んでいましたが、体調その他の事情もあり、当時の人気女流ピアニスト、マルグリット・ロンの独奏(ラヴェルの指揮)で1932年に初演され大成功を収めました。しかし同年、パリで交通事故に遭ってから、数年前より悩まされていた記憶障害や失語症などが徐々に悪化し、5年後の1937年に62歳でこの世を去りました。
「ヤマハ・ガラ・コンサート2015」の詳細はこちら>>> http://www.yamaha-mf.or.jp/gala/gala_15.html
「ヤマハ・ガラ・コンサート2015」出演者インタビューVol.1はこちら>>> http://www.yamaha-mf.or.jp/webymf/concert/15042802/