
ヤマハ音楽教室で学ぶ15歳以下の子どもたちが心に感じたことを曲にし、自ら演奏する「ジュニアオリジナルコンサート(JOC)」。1972年(昭和47年)に合歓の郷(三重県・現NEMU RESORT)で第1回目のコンサートが開催されてからこれまでにたくさんの音楽家も育ち、今年で50年を迎えました。これを記念し、「JOC50周年記念コンサート」を2021年11月23日(火・祝)、ザ・シンフォニーホール(大阪市)で開催しました。
「感謝」や「希望」という花言葉を持つガーベラに彩られたステージで、前半は2019年度、2020年度のJOC参加作品の中から7人の作品が披露されました。
管楽器奏者4人とともに華やかなファンファーレ『Into the Light ~光めざして~』でコンサートの幕開けを飾ったエレクトーンの増田和輝さん(11歳)、かわいらしいリスの動きを表現した『仲良しリスの木のぼり遊び』をピアノソロで奏でた井本在樹さん(9歳)。この日の最年少、海堀心莉さん(8歳)は、エレクトーンソロで変化に富む海の表情を『ふゆのうみ』として表現しました。
ピアノの市川紗良さん(12歳)は、興味を惹かれたサクソフォンとのデュオ『序奏とワルツカプリチオーソ ~アルトサックスとピアノのために~』を作曲。パリの街中を寄り道しながら歩いているような、いろいろな景色に出合える1曲が楽しく届けられました。市川さんはお母さまと親子二代にわたってJOCに参加し、しかも同じ先生に師事されているということで、先生、お母さまを交えたインタビューも。長い歴史を紡ぐと、こんな素敵なこともあるんですね。
くるくると変化する9つの変奏からなる『変奏曲「陽春」』は、藤森由芽さん(11歳)のピアノソロ作品。エレキベースとピアノのデュオという珍しくも格好良いスタイルに挑戦した室賀律輝さん(15歳)の組曲『EXCURSION』、エレクトーンとパーカッションのアンサンブルで夢のある『大空を旅してみたら』を演奏した原口紗妃奈さん(11歳)と、それぞれに個性豊かな世界観を披露してくれました。
後半は、音楽家として活躍するJOCの卒業生も登場して一層華やかなステージに。まずはヤマハ音楽教室が創造的な音楽表現として大切にしている即興演奏からスタート。前半に登場した藤森由芽さんが、ピアニスト浦壁信二さんとともにモチーフ即興を行いました。今回は作・編曲家の大島ミチルさんが3つのモチーフを提供してくださり、二人で選んだモチーフをていねいに弾きつなぎ、発展させ結びました。
再びJOC参加作品からのプログラムとなり、藤崎円緒さん(15歳)とジャズピアニスト桑原あいさんによる、2台ピアノのための作品『Impression ~dearest”K”~』、そして篠田陽依さん(11歳)とエレクトーンプレイヤー渡辺睦樹さんによるエレクトーンデュオの『Wish for the future』という、スペシャルな共演が実現しました。桑原さん、渡辺さんは演奏前のインタビューで、JOCに参加していた頃の自分を共演者に重ねてのエピソードや、JOCで得たもの、今に活きていることなど、若き音楽家たちへのエールを込めて語ってくれました。
そして最後のプログラムは、世界的に活躍する大島ミチルさんがこの日のために書き下ろしてくださった『Piano Concerto ~Take to the world~』の初演。エレクトーンプレイヤーの岩内佐織さんと、ヤマハエレクトーンコンクール2019で第1位を獲得した田邊優子さん(ヤマハ音楽教育システム講師)によるエレクトーンと、ピアノの浦壁信二さん、パーカッション二人とのアンサンブルで、生命力あふれるナンバーを披露。アグレッシブでありながら神秘的な雰囲気もある大島さんの描いたメッセージを、3人の鍵盤奏者を中心に奏で届けてくれました。
始まりから終わりまで、演奏プログラムの間で流れたBGMにもJOCから生まれた名曲が使われ、卒業生からのメッセージも紹介されるなど、思い出や歴史がたっぷりと感じられるコンサート。未来へ向けて夢を膨らませる若き音楽家と、JOCを巣立った音楽家の共演は、多くの人に感動を届けました。
コンサートの模様は、下記日時にテレビ放映されます。
- 番組タイトル
- ヤマハ・ジュニアオリジナルコンサート 〜50年の感謝と希望の音楽会~
- 初回放送
- 2022 年 1 月 16 日(日)13:00 ~ 13:54 BS朝日にて
- 協賛
- 三井住友海上火災保険株式会社/住友生命保険相互会社/ヤマハ株式会社
また、1月下旬にヤマハJOCチャンネル(YouTube)でも配信いたしますので、ぜひご覧ください。