ヤマハ音楽支援制度は2010年度より「地域音楽活動支援」をスタートし、地域への音楽普及や音楽文化向上の視点で演奏や創作の活動に取り組む音楽グループ・団体への支援を行っています。2016年度も、幅広いジャンルと活動でいずれも活発に音楽の素晴らしさを地域に伝える77件が対象となりました。
今回は下記団体の活動リポートをご紹介します。
- ・団体名:地域連携パフォーミングアーツ実行委員会(愛知県常滑市)
- ・協 力:花井楽器
- ・実施日:2016年8月13日(土)、14日(日) 知多市勤労文化会館 つつじホール
- ・活動内容:オペラ「ヘンゼルとグレーテル」
私たちの活動は、愛知県知多半島に住む子どもたちと地元若手音楽家が、ともに総合芸術であるオペラやミュージカルを創造し、地域に根差した芸術文化の振興に貢献すること、また、子どもたちが参加でき、未就学児も鑑賞できる公演を行うことにより、未来を担う子どもたちの情操を高め、育成していくことを目的としてスタートしました。
普段は知多半島在住の音楽家が中心となり、年2回の舞台公演や地域ごとでのミニコンサートに参加しています。また市民からなる「なないろ歌劇団」を主宰し、定期的に演奏活動をしています。
今回のオペラの参加者は、チラシによる公募で地域に広く呼びかけることで、小学1年生から大学生・シニア世代まで年齢も幅広く、また合唱経験者から、初めて舞台に上がる子どもたちまで、キャスト15名・合唱29名での構成となりました。
内容は、誰もが知っているもの、そして子どもたちが多く参加できるものをと考え、グリム童話の名作で、音楽はE.フンパーディンクのファンタジーが散りばめられた素晴らしいオペラ作品「ヘンゼルとグレーテル」を選びました。
公演に向けての練習は、まず当委員会所属の地元音楽家による指導で、オペラに必要な発声・歌唱・演技・ダンスなどを基礎から学びました。さらに指揮者や演出家による音楽稽古及び立ち稽古、そして今回共演の「知多市民オーケストラ」とのリハーサルまで、3ヶ月間にわたり全員一丸となって稽古に励んできました。連日の厳しい稽古の中にも、笑顔が絶えることなく、和気あいあいと和やかな雰囲気で舞台が創られていくところは皆の励みになりました。
公演当日は、未就学児のための公開リハーサルを含めて、来場者数は約650名とやや少なめだったのですが、お客様の反応は大変良く、舞台上で歌い踊る子どもたちの姿を見て「とても楽しかった」「次回の演目は?」などいろいろな反響がありました。また、客席の子どもたちは食い入るような反応で、帰りがけに「次回は自分も参加してみたい」などのお声もいただきました。
公演を終え、1つの演目をやりきった達成感とともに、今回の反省を生かした次回への意欲が、以前に比べてとても大きくなっていると実感しています。
知多半島では、舞台作品の上演は年間を通してまだまだ少ないのが実情です。
私たちは地道に一歩ずつではありますが、より活動を広げていけるように頑張り、舞台芸術の魅力、生きた音楽の素晴らしさを、一人でも多くの人に伝え続けていければと思っています。
そして地域のさらなる文化の向上に貢献できることを目指していきたいと思います。