音楽支援事業開く
活動リポート:片岡友紀さん(クラリネット)
2021年度の支援対象者で、現在、ローザンヌ高等音楽院に在籍されている片岡友紀さんにお話しを伺いました。
音楽を始めたきっかけ
クラリネットと出会ったきっかけは、中学校で始めた吹奏楽でした。小学校の時からピアノを習っていたので、楽器を奏でることにとても興味があり、中学に入学したら吹奏楽部に入ることをずっと夢見ていました。そして入部体験の日にいろいろな楽器を試奏して、その時一番音色が美しくて印象的だったクラリネットを選びました。それから、クラリネットを通して音楽の魅力にハマっていき、将来クラリネットでプロの演奏家になりたいと思うようになりました。
フローラン・エオー先生との出会い
高校生の時に「京都フランス音楽アカデミー」という、フランスから有名な先生方を招いて行うマスタークラスが京都でありました。そこで出会ったのが現在師事しているフローラン・エオー先生です。
それまでは技術的なことを中心に練習をしていて、音楽性という面では曲のキャラクターなどを少し漠然と大雑把に捉えてしまっていました。しかし、エオー先生のマスタークラスはとても刺激的で、曲そのもののキャラクターはもちろん、フレーズごとの持つ個性や色をより細かく吹き分ける方法を学び、歴史的根拠に基づく演奏スタイル、哲学的な解釈等、さまざまな視点からアプローチすることによって、どのように演奏の違いが生じるのか、演奏の可能性というものを考えられるようになりました。
同じ曲でも、演奏者によって演奏が異なるように、自分がどういう演奏をしたいのか、どういう表現をしたいのか、ということをより強く考えるきっかけになりました。
エオー先生のレッスンでは、呼吸法や体の使い方、指の動きまで細かく見てくださいます。今は、その自分が表現したいことと技術面とをしっかり結びつけて演奏できているのか、ということを主な課題として勉強をしています。
今後の目標
今年でBachelor過程を卒業するので、学年末(6月)にリサイタル形式の卒業試験があります。
今はそのプログラムを中心に練習をしています。
私は将来、主にオーケストラに入って活動をしていきたいと考えているのですが、フローラン・エオー先生のように、的確なアドバイスができる指導者にもなりたいと強く思います。
オーケストラの中で演奏することは個人的にとても好きなので、ずっと勉強を続けていきたいです。
指導者になりたいと思ったきっかけは、やはりフローラン・エオー先生の存在です。どうやって楽器を鳴らしているのか、どういう体の使い方をしているのか、どういう息の使い方をしているのか、それを全て生徒にわかりやすく説明できる指導者というのは、なかなか少ないように思います。エオー先生は常に新しいアイデア、最新の知識を探してそれをレッスンに取り込んでくださる先生です。ですからレッスンでは毎回新しい発見があります。私がエオー先生にたくさんのことを教えていただいているように、私も先生のようなレッスンができる指導者になりたいと思っています。
片岡友紀(Yūki Kataoka)さんプロフィール
- 1997年 京都生まれ
- 13歳よりクラリネットを始める。
- 2014年 第19回神戸国際音楽コンクール3位
- 2015年 京都市立京都堀川音楽高校卒業
- 2015年 第3回斑鳩国際音楽コンクール1位
- 2016年 渡仏
- 2017年 キエリ国際コンクール2位
- 2018年 パリ地方音楽院にてDEM(音楽研究資格)取得
- 2019年 審査員満場一致でコンサーティスト過程を修了
- 2019年 ローザンヌ高等音楽院に入学 現在3年生、クラリネット専攻
これまでに、村上てるみ、小谷口直子、Florent Héau、Alexandre Chabod、Paul Meyerの各氏に師事