ヤマハ音楽振興会が展開する、音楽普及・教育活動の中から選ばれた出演者による祭典「ヤマハ・ガラ・コンサート」。2015年は6月6日(土)Bunkamuraオーチャードホール(東京都渋谷区)で開催します。自ら作曲した『未来へ(あしたへ)』で、東京フィルハーモニー交響楽団とピアノで共演する須田彩貴咲さん(宮城県在住・15歳)に、出演するにあたっての意気込みをうかがいました。
作品『未来へ(あしたへ)』にこめた想い
最初は暗い闇のイメージから始まって、最後は明るく、未来が広がるような壮大な曲を作りたいと思っていました。暗い闇というのは、夢に向かって進んでいるときでも、不安になることや挫折するときがあるかもしれないということをイメージしていて、この曲を聴いた人が、「明日から頑張ろう!」と、希望を持ってもらえるといいな、と思います。
オーチャードホールにいらした皆さんにも、そのように伝えられたらうれしいです。
夢に向かって
ずっと学校の音楽の先生になりたいと思っていたのですが、最近は音楽療法にも興味があります。コンサートに来てくれた人に、私の演奏を通して想いを伝えられるのもうれしいのですが、コンサートに足を運べない人、例えば障がいを持った方や、お年寄りにも聞いてもらえたらいいなと思います。
いずれにしても、音楽で人々の役に立っていきたいと。
東日本大震災を経験して
小学6年生だった2011年の夏に、初めてJOCハイライトコンサートin東北に出場したのですが、たくさんの人が演奏を聴いてくださりとても感動し、それからどんどん音楽が好きになっていきました。2011年3月に曲作りを始めた時には、震災直後でライフラインがストップする中、自宅でもずっと小さな音で練習していたので家でピアノを思いっきり弾けることがどれほどありがたいことだったのか、あらためて実感しました。発電機でお米を炊き、おにぎりも1人1個だけ、水も出ない状況の中、皆で助け合う、その心の温かさを強く感じました。
今井紗智子先生との出会い
小学1年生から、ずっと今井先生に教えていただいています。叱られると萎縮してしまい自分の演奏ができないのですが、今井先生はあまり叱らず、優しく指導してくださいます。先生との出会いに、本当に感謝しています。
コンサート本番に向けて
まさか自分が出演できるとは思ってもいませんでしたので、不安もありますが、オーケストラと共演できる機会はなかなかないので頑張ります!オーチャードホールは広い会場なので、できるだけ響く音で弾けるように毎日練習しています。
「中学では陸上部に所属していたので、ピアノ練習と勉強はそれぞれ1時間しかとれませんでした…」と語っていた須田さん。集中力はきっとこの頃から培われたものなのでしょう。本番までラストスパート。『未来へ(あしたへ)』にたくさんの想いをこめた、須田さんの演奏をお楽しみに!