日本国内だけでなく海外のヤマハ音楽教室でも行われているJOC(ジュニアオリジナルコンサート)。アジア地域では1991年にシンガポールで「アジア・パシフィックJOC(APJOC)」がスタートし、以来、年に一度のペースで開催されています。今年は2018年3月18日(日)つま恋リゾート彩の郷(静岡県掛川市)で開催され、8つの国と地域の子どもたちが出演しました。
コンサートは、台湾のチェン シャン ウェンさん(9歳)の作品『Fantasia of Little Bear Jackie』から始まりました。お母さんからプレゼントされたぬいぐるみ、子くまのジャッキーと森へピクニックに行った夢をピアノ演奏で。香港のアングス イップ フェン ウィンさん(12歳)は、数年前に旅した沖縄の海で、イルカが楽しそうに泳いでいるのを見たことにインスピレーションを得て創った『Sea of Dolphins』を、Jazzアレンジのエレクトーンソロで熱演しました。
続いて登場したのは、ジョ イェウォンさん(9歳・韓国)。友達と宝探しゲームをしたときのことを曲にした『A Treasure Hunt』を。シンガポールのフイ ジョ ロン アイゼオさん(12歳)は、インターネットで見た左手で演奏するパフォーマンスに影響されて創った『Nocturne for Left Hand』を左手だけで。ともにピアノソロで披露し、観客を魅了しました。
インドに独特な音階と伝統的な楽器があることに興味を持ったというトライトッド ウィリウォンさん(10歳・タイ)は、インド風の音楽とRockとが融合した曲『The Dome of Phahurat』をエレクトーンソロで。続くロザムンド タン ツェ ウェイさん(15歳・マレーシア)は、ハリーポッターのユニークな世界観にインスピレーションを受けたという5拍子の曲『Wandering Elf』をピアノソロで披露しました。
リュウ ヤンさん(14歳・中国)が、悪者から人々を守るカンフーの師匠をイメージした曲『The Legend of Kungfu Master』をエレクトーンの迫力ある演奏でコンサートを盛り上げると、続いて登場したファニア セレスティナ ディトラさん(13歳・インドネシア)が、自然の美しさと、それを守りたいという願いをテーマにしたピアノ組曲『“Peintures de la Nature”(Paintings of Nature) 』で、コンサートを締めくくりました。
最後は出演者全員がオンステージ。客席からそれぞれの担当講師を呼び寄せ、感謝の気持ちを込めて花束が手渡されると、客席から大きな拍手が贈られました。
コンサート終了後には各種ワークショップが行われ、創作・作曲法セミナーではJOC出身のヤマハマスタークラス名田綾子講師が和音のつけ方や休符の使い方、テーマ作りなどさまざまなアイデアを解説。また、ピアノ、エレクトーンそれぞれの演奏セミナーも行われ、一人一人指導を受けました。コンサートやワークショップを通じて得た経験、また、他国の友人との出会いが、思い出に残る一日となったことでしょう。
主催者コメント
自作自演のスタイルで自身の思いを伝えることのできるJOC、本コンサートでは身の回りの出来事や映像を見て感化され作曲したものが多く、それがコンサート当日の生き生きとした演奏に現れていました。
今回新たにワークショップも同時に開催したことで、今後の創作や演奏へのモチベーションに繋がりました。これからも海外から引き続き素敵な曲が聴けるよう願っております。 (ヤマハ㈱ 楽器・音響営業本部 音教事業推進グループ 古谷孝)
※「APJOC2017」の模様は、「YouTubeヤマハオフィシャルチャンネル」で配信されています。