例年になく長い梅雨がようやく明けた2019年7月29日(月)。真夏の太陽が照りつける中、「ヤマハ・ハイライト・コンサートin TOKYO 2019」が大田区民ホールアプリコ大ホールで開催され、たくさんのお客さまでにぎわいました。
「ヤマハ・ハイライト・コンサート」は、ヤマハが展開するジュニアオリジナルコンサート(JOC)、ヤマハエレクトーンコンクール(YEC)、ヤマハジュニアピアノコンクール(YJPC)などの音楽教育活動・普及活動から生まれ育つ若き音楽家たちによるコンサートとして、全国7エリアで開催しています。
コンサートの始まりは、藤森由芽さん(9歳)の『ペンギンさんのパレード』(2018年度JOC参加作品)。ペンギンが行進している様子を弾むような軽やかなピアノで表現し、会場を明るく包み込みました。同じく2018年度JOC参加作品から、人魚が住む海の世界をイメージした『組曲「人魚の世界」』を披露したのは滝口泉希さん(9歳)。ピアノとクラリネットのアンサンブル作品は、さまざまな海の表情が目に浮かぶようでした。風に乗って大空を飛びまわるイメージで創ったという『Sky Adventure~ゆめの島への旅~』(2018年度JOC参加作品)をエレクトーンで演奏したのは、石橋亜衣さん(9歳)。空から見た壮大な景色や動物たちの姿が、会場の皆さんにも届いたのではないでしょうか。
『組曲「心のままに」』(2018年度JOC参加作品)をピアノで演奏した小川結衣さん(10歳)は、学校で楽しんでいる自分と、家で忙しくしている自分を想い浮かべて創ったそうで、初めてジャズに挑戦したとは思えない堂々としたステージでした。続いて登場したのは見木虹心さん(9歳)。『3つの物語~チェロとピアノのために~』(2018年度JOC参加作品)で、息ぴったりのチェロとのアンサンブルによるそれぞれ雰囲気の異なる3つの音楽を表現し、客席を魅了しました。展覧会で観た葛飾北斎の絵画にヒントを得て創った『HOKUSAI JAPONISME』(2018年度JOC参加作品)を披露したのは、有賀夏輝さん(12歳)。ジャズテイストの魅惑的な雰囲気に会場全体が包まれ、北斎の生み出すジャポニズムの世界が目の前に広がるようでした。
第1部の最後は、第3回YJPCファイナルD部門第1位の岡田季樹さん(16歳)による、ショパンの名曲『英雄ポロネーズ』。この春高校生になった岡田さん。「先生や支えてくれた方々に感謝し、お客さまに楽しんでいただけるような演奏をしたい」との気持ちを込めた繊細かつダイナミックな演奏に、万雷の拍手が送られました。
第2部は即興演奏からスタート。開演前に多くのお客さまから寄せられた短いメロディーを、その場で1曲の作品にまとめます。野瀬紅緒さん(14歳)がステージで3つのメロディーを選び、その中の1つのモチーフをもとに即興で演奏すると、客席からは盛大な拍手が送られました。続いては、YEC2018小学生低学年部門ファイナリストの唐﨑花菜さん(10歳)。コンクールでも演奏し、思い出の詰まったガーシュインの『Porgy and Bass Suite』を力いっぱい演奏しました。
藤崎円緒さん(13歳)は、『組曲「ダンス!ダンス!ダンス!」』(2018年度JOC参加作品)を披露。ピアノとバイオリンの共演で、人、小鳥、ポップコーンが自在に舞う様子を熱演し、会場を盛り上げました。大塚菜々美さん(13歳)は梅雨の山地に咲く「山荷葉」の花をイメージした『山荷葉~朝露に光る透明な花~』(2018年度JOC参加作品)をエレクトーンで演奏。花の多彩な表情を見事に表現しました。
続いては、即興演奏にチャレンジした野瀬紅緒さんが再び登場し、『創作主題による6つの変奏曲』(2018年度JOC参加作品)をピアノソロで。拍子や調を変えたもの、ショパンの作品をオマージュして創ったものなど、バラエティに富んだ変奏曲を披露しました。コンサートの最後を飾ったのは、植野夏香さん(16歳)の『玉響』(2018年度JOC参加作品)。演奏前のインタビューでは、「この曲でJOC最後という思いを込めて創り、満足のいく作品になりました。将来は、先生のように音楽の楽しさを伝えられる人になりたいです」と語りました。「日本の神秘的で雅の世界を表現したい」との思い通り、ピアノにエレクトーン、パーカッションも加わった壮大な演奏で観客を魅了し、コンサートを締めくくりました。
コンサートの模様は、11月よりオフィシャルサイトで配信予定です。
「2019年度 ヤマハ・ハイライト・コンサート」の詳細はこちらから。