
1988年の開設以来、多くの優れた音楽家を送り出してきたヤマハマスタークラス。その特別コースの在籍生によるコンサートが、2015年4月12日(日)ヤマハホール(東京都中央区)で開催されました。ピアニストとしての資質と将来性に富んだ生徒たちが、さらなる高度なテクニックと音楽表現力を習得するためのプログラムを経験し、その成果を披露しました。
コンサートの模様を出演者の感想も交えてご紹介します。当日のプログラムはこちら。

品田凜花さん(15歳)
品田さんのしなやかなバッハの曲でコンサートがスタートしました。バッハの中でも和声の響きが際立ったこの曲を選んだそうです。「コンディションをうまく調整することができ、精いっぱいの演奏ができました」と納得の表情でした。

島村崇弘さん(13歳)
元気いっぱいに大好きなベートーヴェンの曲を、ホールの響きをよく感じ取りながら披露してくれました。「今までになく緊張しましたが、ステージに上がってからは驚くほど気持ちが落ち着き、演奏に集中できました」と。大の鉄道ファンで、いつも発車メロディーなど鉄道関係の音楽を、練習の合間に弾いて楽しんでいるそうです。

佐久山修太さん(17歳)
4曲の特徴をそれぞれ捉え、ラフマニノフらしい深みのある響きが印象的でした。ラフマニノフの後期の作品は、和声やリズムが面白く気にいっているとのこと。「日頃のレッスンで受けているさまざまな刺激を、演奏に生かすことができました」と満足げな表情を浮かべていました。

上田実季さん(18歳)
大学受験曲として弾き込んできただけあり、安定感あふれる余裕が感じられる演奏でした。一般の方にはあまりなじみのないスクリャービンの作品を、自分らしく輝かせ、お客さまをどう世界に引き込むかなどを意識して演奏したそうです。

小嶋早恵さん(15歳)
技術的に非常に難しいシューベルト=リストの作品を、軽やかに演奏してくれました。「課題はたくさんありますが、すてきなホールで演奏することができてよい経験になりました」と、初めてのヤマハホールでの演奏を振り返っていました。