ヤマハ音楽支援制度は、優れた音楽能力を有し、将来音楽分野で活躍が期待される若手音楽家への支援として「音楽奨学支援」(13歳以上~25歳以下)を実施しています。
今回は2017年度の支援対象者で、現在アメリカ・ミズーリ州のパーク大学で、ピアノを勉強している平間 今日志郎さんにお話を伺いました。
プロフィール:平間 今日志郎(ヒラマ キョウシロウ)パーク大学2年在学中
1998年大阪府出身
2005~2016年PTNA全国決勝大会にて、A1・B・E・F・Jr.Gの各級で金・銀・銅賞、また特級セミファイナリストなど受賞多数
2012年堺国際ピアノコンクールD級第1位
2013年寝屋川市アルカスピアノコンクール高校生部門第1位、ソロ部門グランプリ
寝屋川市芸術スポーツ功労表彰及び寝屋川市教育委員会特別功績表彰を2度受賞
2015年全日本学生音楽コンクール全国大会高校の部第2位、及び横浜市民賞(聴衆賞)
これまでにクラウディオ・ソアレス、小嶋浩子の各氏に師事
現在米パーク大学にてスタニスラフ・ユデニッチ氏に師事
◆ヤマハ音楽支援制度に応募した理由・感想
1年でも長く学生として音楽の勉強をするために応募しました。奨学生となったことで、自分自身がやりたいと思ったことへの障害が少なくなり、学業のみに集中し没頭できる環境を作り出せていると思います。
◆近況その他、今後の抱負など
もともと姉の影響で始めたピアノは、飽きっぽい性格の自分が止めないで続けた唯一のものです。このピアノを通じて、今までたくさんの素晴らしいご縁をいただきました。特に小嶋先生、ソアレス先生のお二人には、ピアノのことだけでなく、人間的にも成長させていただいたと思っています。そして、両親も含めて周囲の皆さんには、今まで日本人が誰も勉強したことのないパーク大学の International Center for Music に、自分を快く送り出してくださったことに対して、本当に感謝しています。
この秋からアメリカ生活2年目が始まっています。パーク大学は卒業にあたり、音楽だけではなくさまざまな教科(数学、英語はもちろん理科、社会、そしてコンピューター・サイエンス等)の単位が必要となります。去年は英語力が不足していたため、英会話学校に缶詰め状態でしたが、今年から音楽以外の教科をとり始めています。音楽科の在籍人数は、全学生約10,000人に対してわずか30人ほどなので、ピアノの練習時間など全く考慮されないくらい大量の宿題が出ます。そのため、日々エッセイやスピーチをはじめ多くの宿題に追われていますが、これも今しかできない経験だとポジティブにとらえています。
大学がある Kansas CityのParkville は、とてものどかな街で田舎ゆえの不便さはあるものの、音楽留学の場としては誘惑も少なくとても良い環境だと思います。
寮も朝昼晩の食事、そして設備面でも不自由はないので快適に暮らすことができます。
基本的にアメリカでは留学生のアルバイトは大学内でのもの以外は認められていません。中には大学内でのアルバイトをしている人もいますが、音楽科の学生は誰もしておらず、24時間使える練習室でひたすら練習をしています。もちろん、メジャーリーグの観戦に行ったりショッピングをしたりと、アメリカならではの経験も楽しんではいます。
これからの予定は、まずはもうすぐ秋学期が終了しますので、ピアノの演奏の試験を含むテスト勉強に追われることになると思います。今学期はテスト前に限らず、時間のやりくりに苦労したので、来学期以降は効率化を図り、より一層頑張っていきたいと思います。
そして、まだ将来の明確な目標というものは決まっていませんが、一日一日を大切にしながら、コンクールなどにも積極的に挑戦していければと考えています。