1964年にスタート、50年以上にわたり、エレクトーンを学び、弾く人たちの目標となっているエレクトーンコンクール。ここからたくさんの音楽家が誕生しています。2017年度からは、小学生低学年部門、小学生高学年部門、中学生部門、一般部門の4部門で、「心に残る個性的なエレクトーン演奏を披露する場」として、そして「エレクトーンの演奏力と音楽力の向上を目的」に、新たに開催しています。
「ヤマハエレクトーンコンクール(YEC)2018ファイナル」は、2018年12月15日(土)、16日(日)の2日間にわたって開催。この日のために研鑽を積んできた49名のファイナリストたち(全国7エリアで行われたファイナリスト選考会で選ばれた42名と、海外からのエントリー7名)が銀座ブロッサム中央会館ホール(東京都中央区)に集結し、YECの新しい歴史の1ページに名を刻みました。
そして審査の結果、小学生高学年部門で松尾和香さん(小学6年生・兵庫県神戸市)、中学生部門で多田憲伸さん(中学3年生・大阪府大阪市)、一般部門で平田翼さん(27歳・東京都立川市)が、それぞれ第1位に選ばれました(小学生低学年部門は順位付けなし)。結果発表直後、まだ興奮冷めやらぬ3人のコメントをご紹介しましょう。
受賞結果はこちら>>>
松尾 和香さん(小学生高学年部門)
仲良しの岡田さん(第2位)と一緒に受賞ができてすごくうれしい。自由曲の『ルイヴィル協奏曲』はいろいろなシーンがあるところが好きで、ファイナルは今までで一番いい演奏ができるように頑張りました。課題演奏の曲『アイ・ガット・リズム』はミュージカルで使われている曲なので、楽しい気分で弾けるように、また、聴いている人にも楽しいと思ってもらえるように、笑顔で演奏しました。ミュージカルを何回も観て、研究したんです。楽しいと感じてもらえていたらうれしいです。
多田 憲伸さん(中学生部門)
初めての1位でものすごく感動して、うれしいです。いつもめちゃくちゃ緊張して自分の思い通りに演奏できないことが多いんですが、今日はいつもよりマシ(笑)。自分の演奏を、少し客観的に見られる感じもありました。自由曲で弾いた『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』は、勉強もそんなにできないし、真面目じゃない、そんな僕に合っていて、楽しく演奏できました。中学生部門最後の年だったので、思い切って楽しんで演奏できてよかったです。
平田 翼さん(一般部門)
ヤマハ音楽教室の講師をしていて、コンクールに出るのは5年ぶり。やっと…という気持ちと、信じられないという気持ちの両方がこみ上げています。課題編曲演奏は『グリーンスリーブス』を選択。とにかくシンプルに気持ちよく聴かせることを意識しました。自由曲は海に月が映った道のような様子を表現し、講師の身として、生徒がこれから歩いていくエレクトーンの道を作っていきたいという想いも込めています。これからは演奏活動もやっていけたらいいなと思います。
審査結果の発表を前に、プレイヤー、作・編曲家などの審査員諸氏から、出場者へ講評が述べられました。小学生低学年部門に対しては「素晴らしかった!」という称賛とともに「これからも長く音楽を続けていってほしい」と言うエールが多数。他3部門の出場者には、「たくさんの可能性がある楽器だからこそ、欲張らず取捨選択することも大事」「スピーカーを通して聞こえる音もイメージした音色づくりを」「(課題編曲について)意外性と予定調和のバランスが大事」など、今後に生きるアドバイスが多数贈られました。
※「YEC2018ファイナル」の開催リポート、審査講評は1月下旬に「YECオフィシャルサイト」で公開予定です。