
多くの聴衆に感動を与え、心に残る個性的なエレクトーン楽曲や演奏を披露する場、また、エレクトーン演奏力、音楽力の向上を目的として開催している「ヤマハエレクトーンコンクール(YEC)」。今年は2019年11月30日(土) 、12月1日(日)の二日間にわたりNHK大阪ホールにて開催(主催:㈱ヤマハミュージックジャパン、共催:ヤマハ音楽振興会)されました。
「小学生低学年部門」「一般部門」のファイナルが行われた12月1日(土)は、今年で60周年を迎えたエレクトーンの誕生月を記念して、ホールのロビーには歴代のエレクトーンを紹介するパネルも展示され、コンクールに花を添えていました。
「一般部門」では、東京・大阪開催の「ファイナリスト選考会」を通過した国内出場者に海外からの出場者を加えた13名の精鋭らがパフォーマンスを披露。厳正なる審査の結果、田邊優子さん(大阪府枚方市)が第1位を受賞し、第2位には村上舞優さん(大阪府大阪市)、第3位には村瀬萌々香さん(愛知県安城市)が選ばれました。
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一般部門第1位 田邊優子さんのコメント
本当に信じられないという気持ちです。なかなか結果を出せない時期があったのですが、昨年初めてファイナルに出場できて、もう一回この素敵な舞台を踏みたいという思いがありました。結果はどうあれ、自分自身が良かったと思える演奏をしようと思って出場を決めたので、今回の受賞は今まで助けていただいた皆さんのおかげだと思っています。今日は心を込めて演奏しました。
課題編曲演奏では、ついアイデアを詰め込み過ぎてしまうところがあるので、そこを整理整頓してどこを切り取っても『アビニヨンの橋の上で』の香りが出るようにこだわってアレンジしました。
オリジナル曲は、まだメロディーも決まっていない時にタイトルを『Last Train』と決めました。今まで華々しく走っていた列車があまり利用されなくなり、最後に皆の拍手に包まれながら華々しく走るという哀愁と、今までお疲れさまという気持ち、そしてまたどこか違う場所で走る列車のイメージと、(コンクールは今年で最後かなと思っていたので)自分自身を重ねました。「一度聞いたら覚えてもらえるように」ということを常に頭に置きながら創りました。
来年からは「ヤマハ音楽教室」の講師になる予定なのですが、演奏家・編曲家としても自分自身を見失わないようにしていきたいですし、指導についても新たな講師という立場で、今まで育てていただいたまわりの皆さんに恩返しができたらいいなと思っています。
審査員からは、出場者へねぎらいの言葉と、保護者・指導者ら関係者へ感謝の言葉が贈られました。また、「アコースティック楽器をさらに研究すると、より音楽表現が豊かになると思う」「即興演奏は得意不得意があると思いますが、即興演奏ができることが本当の楽しさにつながると思うので、楽しいエレクトーンの世界を今日からスタートさせていただきたい」など、具体的なアドバイスもありました。最後に総評した審査員長の水戸瀬秀(ヤマハ音楽振興会)は、「皆さんとても立派なステージでした。エレクトーンの最大の特徴は多様性。ジャンル、スタイルにこだわらないという点からも、審査では悩みました。順位はついていますが、素晴らしい演奏をしたということに自信をもって、これからもエレクトーンを続けていってください」とエールを送りました。
※「YEC2019ファイナル」の開催リポート、審査講評は2020年1月下旬に「YECオフィシャルサイト」で公開予定です。