26日(木)第2夜の第1部に登場したのは、倉田沙紀さん。「マリンバによる現代音楽」と、「マリンバの弾き歌いによるポップスやジャズのカバー」という2つの世界を行き来するダイナミックなステージを披露しました。
1曲目は現代音楽の『フローティング アンド グルービング』(J.メットカルフ)。テクノサウンドとマリンバという意外な取り合わせから繰り返されるフレーズで、客席を引き込んでいきました。2曲目は、イヌイットが狩猟や豊作を祈る儀式の際に歌っていたという「カタジャク(喉歌)」の録音を、マリンバ演奏にオーバーラップさせた作品『フェアティリティ ライツ』(C.ハッチス)。マリンバのアコーティックな音と、生命力あふれる歌声が力強く響きあいました。
続いてオリジナルアレンジによる『ひこうき雲』(荒井由実)の「弾き歌い」、最後にマリンバが国民楽器という国、グアテマラの作曲家J.サルミエントスの南米の香りが漂う楽曲『マリンバコンチェルト』を、ピアノとの共演で届けました。多彩なプログラムを通して、独特の世界感を共有した会場は、暖かい拍手に包まれました。
第2部は、木管五重奏ユニット「アンサンブル コラソン」によるステージ。異なる音楽大学出身・所属の5名が、「聴く人の心や魂に触れる音楽を奏でたい」という思いを込めた、充実したプログラムを届けました。
1曲目はベートーヴェンとほぼ同時期に活躍した作曲家F.ダンツィの『木管五重奏曲作品56第2番ト短調』。室内楽の王道を感じさせ、木管五重奏のスタンダードな魅力を伝えました。続く『3つの船乗りの歌 作品4』は、「戦場にかける橋」の映画音楽で有名なM.アーノルドの作品。フォークソングなどを元にした個性的でユーモラスな楽曲を通し、5つの楽器それぞれの個性が際立つ演奏を届けました。3曲目の『カルメン組曲(木管五重奏版)』(G.ビゼー作曲、D.ワルター編曲)では、有名なオペラ曲の名曲を矢継ぎ早に繰り出し、会場をおおいに楽しませました。
今回がデビューコンサートとなった「アンサンブル コラソン」。フレッシュなステージで木管五重奏の魅力を存分に伝えました。
なお、コンサートのダイジェスト映像は、下記Webページにて7月末公開予定です。
http://www.yamaha-mf.or.jp/shien/concert/2016/