ヤマハ音楽支援制度は、優れた音楽能力を有し、将来音楽分野で活躍が期待される若手音楽家への支援として「音楽奨学支援」(13歳以上~25歳以下)を実施しています。
今回は2017年度の支援対象者で、現在、東京藝術大学でチェロを専攻されている吉田啓晃さんにお話を伺いました。
プロフィール:吉田 啓晃(ヨシダ ヒロアキ)東京藝術大学音楽学部1年在学中
1999年東京生まれ、6歳よりチェロを始める。横浜国際音楽コンクール第1位。Kジュニア&学生音楽コンクールチェロ部門第1位及びグランプリ。ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクール第1位など、多くのコンクールで優勝、入賞する。
京都フランスアカデミー、モーツァルテウム大学夏季セミナー、ムジークアルプ夏季国際音楽アカデミー等の講習会の優秀者演奏会に出演、また東京クラシックプレイヤーズに最年少で出演、及びブーレーズ生誕100周年を記念した作品の世界初演に参加。
チェロを河野文昭氏に、室内楽を佐藤卓史、迫昭嘉、松原勝也の各氏に、ピアノ・ソルフェージュを茂木眞理子、高橋いつきの各氏に師事。また、J.P.マインツ、W.E.シュミット、C.ハーゲン、F.ミュレールL.クラレット、M.ゴトーニ、W=S.ヤン、浦川宜也、苅田雅治、石坂団十郎、水谷川優子の各氏など著名な音楽家からも薫陶を受ける。
◆ヤマハ音楽奨学支援の対象となられた感想
奨学生に選出されたお陰で、国内で日本の優秀な先生方の指導を受けながら、大学の休暇を利用して海外のマスターコースへの参加が積極的にできるようになりました。
また奨学生発表のwebを見て、全く知らなかった大学の先輩に声をかけてもらえたり、同期の仲間ともその話題から親交を深めることができたりと、図らずも、自分を取り巻く人間関係が広まったことは嬉しい現象でした。
奨学生に推薦してくださった師事する先生方や、採用していただいた皆さんに恩返しをしたいと思い、いつか立派な音楽家になるために、音楽力を拡充させたいという意識が高まり、それを実現するための練習量も確実に増えています。
◆近況その他、今後の抱負など
昨年3月に東京藝大付属高校を卒業し、東京藝大に進学しました。海外講習会への参加やコンサートの企画など多方面でのチェロの学習・演奏に取り組んでいます。
昨年8月にオーストリア・ザルツブルクのモーツァルテウム大学の夏期講習に参加しました。音楽の本質をつかみ、理論的かつ芸術的に指導される先生と出会えたことは貴重な経験でした。宿舎の学生寮のカギが開けにくく、受付の人にお願いしたのですが助けてもらえず、強く主張してやっと開け方を教えてもらえました。調べたところ、ドイツやオーストリアのカギの開け方は、日本と違い複雑で戸惑う人が多いということでした。この一件から、ヨーロッパでは生活面においてもはっきりと主張することが重要だと学びました。
今後も積極的に海外の先生に教えを請う予定で、今年2月~3月にはドイツのマスタークラスにも参加します。
神楽坂のアコースティックホール TheGLEE(ザグリー)における、金の卵「火花」シリーズの企画・演奏・プロデュースを務めています。
これまでに藝大同級生を中心に、昨年7月24日の「プレリュード」と題したソロ・デュオのコンサートを皮切りに、9月23日にピアノと弦の室内楽、12月16日にはフルートも加えた室内楽のコンサートを演出し、いずれも満席で大好評を得ることができました。
9月23日のコンサートでは、著名ブログ「Bravo!オペラ&クラシック音楽」の“ぶらあぼ氏”が、感想を記事にしてくださいました。→こちら
最初は手探りで始めた演出ですが、お客様からもいろいろとご意見・ご指導をいただき、簡単なトークの他、楽曲の解説を開演前にお配りするなどしています。
当初はチケット販売に苦労したり、困ったこともありましたが、最近は出演者が皆で協力してスムーズな運営となり、演奏に注力できるようになりました。
今後も定期的にコンサートを企画していく予定ですが、4月29日(祝)には邦楽とのコラボコンサートを企画していますので、皆さまぜひお越しいただき、いろいろとアドバイスをいただければ幸いです。