2018年8月1日(水)~3日(金)、今回で6回目となる「ジュニアピアノアカデミー(JPA)2018」を、つま恋ミュージックガーデン(静岡県掛川市)にて開催しました。
全国のヤマハマスタークラスピアノ演奏研究コースで学ぶ約100名の在籍生の中から、参加希望者への2度のオ―ディションを経て選抜された、小学5年生から中学3年生までの12名が参加しました。
全国から選抜された仲間が一堂に集い、参加者全員が、2人の著名なピアニスト、ラルフ・ナットケンパー氏(ハンブルク音楽大学教授)と今峰由香氏(ミュンヘン国立音楽大学教授)によるピアノ個人レッスンを2日間集中的に受講しました。また3人一組によるグループレッスンでは、お互いの演奏や教授のアドバイスを聞くことができ、参加者それぞれにとって大きな刺激となりました。
合宿2日目には、ヤマハマスタークラスの先輩でもある、ピアニストの馬場みさき氏によるピアノ演奏講座「近代音楽の第一人者ドビュッシーの音楽について」が行われました。今年没後100年のドビュッシーについて、事前に準備してきた「子供の領分」を題材にお互いに弾きあいながら、ドビュッシーがどんな時代を生きてきたか、どんな思いでこの曲を書いたかなど、絵を用いながら音楽的な表現について学びました。
そして2日目の夜には、日頃の指導に携わっている担当講師と教授陣によるミーティングの機会が設けられ、日常のピアノ指導を通して感じていること、疑問に思っていることなどを講師の皆さんから提出してもらい、それらについて熱心な議論が交わされました。
最終日には12人全員による修了コンサートを実施し、一人一人が、3日間の合宿を通して得た学習の成果を存分に発揮した、聴きごたえのある熱演を繰り広げました。
コンサート終演後の講評では、ナットケンパー氏、今峰氏の2人から、3日間の頑張りに対する労いの言葉が送られ、また今後の学習に向けてのアドバイスとして、「音楽というのは解釈がひとつではなく、それぞれのファンタジーがあり、それぞれのイメージがある。作曲家が楽譜に書いたことは、何をどのように表現したかったのか、自分で考えて、読み解かないといけない」「世界には音楽の才能があって音楽をしたくても出来ない子どもたちがいっぱいいる。その中で音楽ができる幸せをかみしめてほしい」「皆さんの演奏を聴いていて一つ気になったことがある。それは音楽をする喜びがあまり感じられなかったこと。感情が表に出るのが非常に少なかったこと。ケーキを焼いたり、スポーツをしたり、楽しいことがいっぱいあるのに、なぜ自分は音楽をしているのか。自分の感情をピアノで表現できたら自分は幸せに感じるし、他の人も幸せに出来ると思うので、これからもがんばっていってほしい」などのコメントをいただき、その後全員に表彰状が授与されました。
参加した生徒さんからは、「食事と睡眠以外はずっと音楽に集中できる環境でとても充実した3日間でした」「自分の感情をもっと演奏に表したほうがいいということを学びました」「ほんの少し意識することで、いつもよりも脱力を感じて弾くことができ、音色の変化も感じられてうれしかったです」「腕の使い方や指の使い方、ハーモニーの仕組みとメロディーの弾き分け方など、色々なことを教わりました」などの感想が寄せられました。