子どもたちが自分のメロディを歌ってくれた時は感動した
●9曲目の『Tokyo Games』には子どものコーラスが入っていますね。
この曲はオリンピックが東京で開催されることが決まったときに、すぐにエレクトーンに向かって作った曲なんです。今回このアルバムに入れたいと思ってマネージャーに聴かせたら「子どもの声が聞こえてくるようなメロディですね」って言われて。僕は全く想定していなかったので最初はピンとこなかったのですが、だんだん「ひょっとしたらいいかもしれない」と思うようになって、最終的には子どもの声を入れました。マネージャーのおかげです(笑)。歌ってくれたのはエレクトーンを習っている子どもたち。スタジオで録音している時、自分のメロディを子どもたちが一生懸命歌ってくれるのを見て、感動してしまいました。
●窪田さんのファンの中にはエレクトーンを演奏する方も多いと思います。そんな方にはどのあたりに注目してほしいですか。
3曲目の『Real Spin Kick』は、もともと僕がよくライブで演奏している『Spin Kick』という曲です。エレクトーン用の楽譜も出ているので弾いたことがある方も多いかもしれませんが、このアルバムはドラムを則竹さんに、そしてサックスをつづらのあつしさんに演奏してもらいました。生のドラムとサックスが加わったので『Real Spin Kick』となったわけですが、エレクトーンソロでの演奏と、生楽器とのアンサンブルだとこんなに表現やダイナミックスが変わるんだな、というあたりを、ぜひ聴いていただきたいと思います。
ライブではCDとは違った表現がしたい
●アルバムの発売を記念したコンサートツアーもあるそうですね。
2016年1月に『Vocalize』と題して大阪、名古屋、東京で開催します。レコーディングに参加してくれたドラムの則竹裕之さん、ボーカルのMiyukiさん、ギターの平井武士(東京のみ)さんと共演しますので、とても楽しいライブになると思います。せっかくのライブなんだから、CDとはまた違った表現がしたいと思って今から構想を練っています。あらかじめCDを聴いてきてもらえると、レコーディングとライブとの違いなども楽しめるのでは、と思います。みなさんとコンサート会場でお会いするのを楽しみにしています。
コンサートツアー情報はこちら>>> http://www.yamaha-mf.or.jp/el-player/kubota/entry_4650.html
—インタビューを終えて
大御所でありながら、いつもダンディで若々しい窪田宏さん。インタビュー当日は別件の取材もあったため、さぞかしお疲れとおもいきや、終始にこやかで、笑い声が絶えないインタビューとなりました。「若いエレクトーンアーティストをもっと育てていきたい」と語る窪田さんですが、新作『Vocalize』を聴く限り、まだまだ最先端でエレクトーンの世界をパワフルに牽引してくれそうです。コンサートもとても楽しみです。