
「エレクトーンと奏でるバイオリン協奏曲の夕べ」と題して、日本を代表するバイオリニスト・徳永二男氏とエレクトーンプレイヤー・渡辺睦樹の共演が実現!徳永氏は言わずと知れた人気、実力ともに日本を代表する演奏家。教育者としても優秀な演奏家を数多く育てており、楽壇生活50周年を迎えた本年は、多くの記念公演も予定されています。一方の渡辺も、エレクトーンによるクラシック演奏第一人者として活躍中で、その演奏表現力と作品解釈は常に高い評価を得ています。そのお2人に、2016年9月6日(火)ヤマハホールで行われるコンサートについて、お話を伺いました。
今回の共演のきっかけは、昨年8月に徳永氏が渡辺の演奏を聴いたこと。まずは、その時の率直な感想をお聞きしました。
徳永:いわゆる昔の“エレクトーンの音”というサウンドは頭の中にありました。しかし渡辺さんの演奏を聴かせていただき、楽器自体の表現方法の広がりが、想像していたものよりもはるかに素晴らしく驚きました。もちろん渡辺さんという素晴らしいプレーヤーあってのことですが。生のオーケストラは機動性が少ないのに比べて、今回は一対一ですので、より自分が表現したい音楽ができるのではないかなと思います。
渡辺:共演者に聴いていただく時は、エレクトーンが一緒に音楽をするに値する楽器であり、一緒にやってみたいなと思ってもらうことに重きを置いています。今、徳永さんのお話を聞いて、そのように思ってくださっていたのでとても良かったなと思います。
メインプログラムはチャイコフスキーのコンチェルトとヴィヴァルディの『四季』。共演において楽しみにしていることは?
徳永:実はチャイコフスキーはもうイメージが沸いてるんです。ヴィヴァルディの方がいい意味で想像が付きにくいんですよね。喜びや嵐の描写など、いろんな感情が出てきますが、そういったことが一緒にどのように表現できるのか、非常に楽しみです。
渡辺:『四季』の話はとても意外ですね。エレクトーンの音色的には弦楽器のみと少ないので逆に想像がつきやすいのかな、と思っていました。徳永さんの表現する『四季』をサポートしつつ、少ない音色の中で一緒に音楽を作っていくことが僕も楽しみです。チャイコフスキーに関しては、2人で演奏することによって見た目の焦点が絞りやすい反面、コンチェルトというオーケストラがソリストを囲んでいる視覚的イメージにはなりません。エレクトーンから出てくる音や僕自身の演奏でどういうふうに演出するか、やりがいがあるなと思います。
徳永:おっしゃる通りですね。サウンドこそオーケストラですが、オーケストラとのチャイコフスキーとは違う、「新しいチャイコフスキーコンチェルト」になると確信しています。