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ヤマハ音楽振興会所属エレクトーンプレイヤーによる、YMF ELECTONE LIVE Vol.16「渡辺睦樹リサイタル」リポートをお届けします。
エレクトーンによるクラシック演奏の名手・渡辺睦樹が、8年ぶりとなるリサイタルを開催。2016年2月7日(日)大阪・ヤマハなんばセンター、2月24日(水)東京・ヤマハホール、2月28日(日)名古屋・広小路ヤマハホールの3公演。早々に完売となった会場もあり、ファンの待ち構える姿勢と期待の高さがうかがえるというもの。東京会場の銀座・ヤマハホールにも、早くから観客が多く詰めかけ、開演を心待ちにした。
今回のリサイタルは、エレクトーンという「オルガン」で、そのルーツとも言えるパイプオルガンに敬意を持ってそのままの楽譜を演奏したいという、エレクトーンではある意味でとても画期的なチャレンジがひとつ。そして対照的とも言える、玉手箱と称される豊富な音色を持つエレクトーンならではのアレンジと演奏。このふたつをコンセプトとしてプログラムが組まれた。
ブラスとパイプオルガンの華やかなサウンドで彩られた『第7旋法による8声のカンツォン第2番』がリサイタルの始まりを告げる。渡辺が放つ凛とした空気が、一瞬にして会場を包み込んだのは、さすが。続く『シャコンヌ ホ短調』はオルガン曲をオーケストラにアレンジ。音色という衣装をまとったフレーズたちが、より明確な性格を持って響いてくる。
柔らかなオルガン風の音色のみ(エレクトーンの演奏で音色が変わらないというのは、ごくごく、まれ)で紡がれた『アヴェ・マリア「12のモノローグ」より』。鍵盤の上を指先がしなやかにすべり、静かに音が積み重ねられていくさまに吸い込まれるよう。そしてその静謐な空気を保ったまま奏でられた前半ラストの『ドリア旋法のコラール』。ふわりとした温かみあるシンセサウンドがゆるやかに変化していく、幻想的な雰囲気を楽しんだ。