
ヤマハで学び育つ、若き音楽家による年に一度のスペシャルコンサート「ヤマハ・ガラ・コンサート」。2018年6月10日(日)、Bunkamuraオーチャードホール(東京都渋谷区)で、15回目を迎えました。
ジュニアオリジナルコンサート(JOC)、ヤマハエレクトーンコンクール(YEC)、ヤマハジュニアピアノコンクール(YJPC)、ヤマハマスタークラスという、ヤマハ音楽振興会が展開する幅広い音楽教育・普及活動から選ばれた出演者に、ヤマハ音楽教室出身の作曲家・ピアニストの加羽沢美濃さんも加わった、この日限りの顔合わせ。たくさんのお客様が見守るなか、司会の久保純子さんの進行でコンサートがスタートしました。
最初は15歳以下の子どもたちが心に感じたことを自作自演する「JOC」の2016年度参加作品から。エレクトーンソロの富岡万葵(まき)さん(14歳)が、華やかなファンファーレの『celebration!!』でオープニングを飾ります。続く山本響斗(おと)さん(9歳)は、お兄さんの爽楽(そら)さん(14歳)と、兄弟ピアノ連弾で息ぴったりの『組曲「ぼくの宇宙旅行」』を披露。ピアノの菊池碧(あおい)さん(17歳)は、マリンバとの共演で流れるように変化する『マリンバとピアノのための競走曲「Race!!」』を。エレクトーンの吉田心音(ここね)さん(10歳)は、お姉さんの和奏(わかな)さん(16歳)とエレクトーンデュオで幻想的な『Ariel’s Undersea Adventure』を奏でました。
昨年2回目が開催された「YJPC」からはグランドファイナルB部門第1位の五味結子(ゆうこ)さん(11歳)が出演し、課題曲『ピアノソナタ ニ長調 Hob.ⅩⅥ-4より 第1楽章』と課題編曲『夢路より』(ジャズアレンジ)でクラシック、ジャズ両方の手腕を聴かせました。
「ヤマハ音楽院ヤマハマスタークラス ピアノ特別コース」に在籍する上原悠(ゆう)さん(15歳)は、『喜びの島』を立体感を持って瑞々しく演奏。うちに秘めた情熱が伝わってくるようでした。そして昨年から4つの部門で展開されている「YEC」からは、2017年度一般部門第1位に輝いた川上天馬(てんま)さん(18歳)が登場。課題編曲演奏として手掛けた『星影のステラ』は、グルーヴたっぷりのオルガン・ファンク。会場を魅了し、第1部を締めくくりました。
第2部は、ガラ・コンサートならではのプログラム、「オーケストラとの共演」のステージです。東京フィルハーモニー交響楽団を率いるのは若きコンダクター・太田弦氏。始めに、JOCから選ばれた松田彩花(あやか)さん(14歳)が、ピアノで『組曲「こどもたちの国」』を共演。多彩な情景を浮かび上がらせる、心躍る5つの小曲を好演しました。
そしてデビュー20周年を越え、幅広く活躍する加羽沢美濃さんのステージへ。「宇宙まで表現できる世界の宝のひとつ」と表現するオーケストラの魅力を存分に引き出した、壮大なスケールの『穂高よ永遠なれ』など全4曲を披露。加羽沢さんが小学4年生のときにJOCで作曲した楽曲『テキサス』はピアノソロで演奏されましたが、実は作曲のルールとして「やってはいけない」手法をたっぷりと使っているという秘密が明かされ、会場騒然!? でもそのことが力強さに繋がって印象的な楽曲になっているのですから、音楽とは不思議なもの。
また加羽沢さんのコンサートでおなじみの「リクエストコーナー」も開催。その場で募った客席からのリクエスト曲を、即興演奏で披露するというスペシャルプログラムで、『シャボン玉』『ドラえもんのうた』『プロムナード(展覧会の絵)』『美女と野獣』など、ジャンルも雰囲気もバラバラな楽曲を、手品のようにひとつの楽曲にして奏でてくださり、客席からはひと際大きな拍手が巻き起こりました。加羽沢さんはヤマハ音楽教室時代の即興の時間が大好きだったそう。小さな頃から「ステージに立つ人になりたい」と思っており、「夢を持って一生懸命に取り組めば、そのプロセスは苦労に感じないし、必ず実現できるはず」と、会場の小さなお客様にメッセージをくださいました。
コンサート終演直後に収録した、加羽沢さんのビデオメッセージをご覧ください。
子どもたちの、新しい感性にあふれるプログラムと、ヤマハから羽ばたき世界で活躍する加羽沢さんの演奏。たくさんの感動が生まれた華やかなコンサートが、ヤマハ音楽教室の50年を越える歴史に新たに加わりました。
コンサートの模様は7月22日(日)13:00〜13:55、BS朝日にてテレビ放送予定。この感動をご自宅でもぜひ堪能ください。