
年に一度のスペシャルコンサート、「ヤマハ・ガラ・コンサート2024」が9月23日(月・祝)、東京オペラシティ コンサートホール(東京都新宿区)で開催されました。このコンサートはヤマハが展開するジュニアオリジナルコンサート(JOC)、ヤマハジュニアピアノコンクール(YJPC)、ヤマハエレクトーンフェスティバル(YEF)など、ヤマハが展開する幅広い音楽教育・普及活動で、その才能を育む若き音楽家が集い、ソロやアンサンブルだけでなく、毎回オーケストラとの共演やOB・OGなどのゲストを招いた特別なプログラムも注目され、多くの観客が来場しています。
今年は本編の前にヤマハエレクトーンコンクールなどで活躍し、現在エレクトーンデモンストレーターとして活動する山﨑雅也さんがこのコンサートのために書き下ろしたオープニング曲「Stories」が披露されました。ヤマハの音楽教室で学び今に至るストーリーをテーマに、バイオリン、チェロ、エレクトーンによるアンサンブルで表現。さわやかなフュージョンタッチの楽曲がコンサートの幕開けを華やかに飾りました。
第1部は2023年度のJOC参加作品から。最初にステージに登場したのは松井莉音(まついりお・11歳)さん。エレクトーンのソロでイングリッシュガーデンからイメージを広げた『Hope for tomorrow!!』を演奏しました。エネルギーや生命力といった前向きさを、力強いオーケストラで表現していきました。
ピアノの佐藤あかり(さとうあかり・10歳)さんは、広い宇宙に想いを馳せた3曲からなる『組曲「スペースピクニック」』を。星が流れるようなアルペジオや幻想的な音の重なりで表現された流星群など、ピアノの音色の繊細さや可愛らしさを生かしたロマンティックな楽曲を楽しませてくれました。
続いて登場した小林蒼太郎(こばやしそうたろう・13歳)さんは、ピアノとフルートのための作品を演奏。念願だったというフルートとの共演で、フランス的なエスプリを意識したオシャレな組曲『フルートとピアノのための幻想曲』を奏でました。『メランコリック』と『スケルツァンド』の2曲からなり、『スケルツァンド』は変拍子で、フルートの音色を惹き立てるメロディが軽やかに響きました。
4曲目の『彩雲』は、エレクトーンの山口日菜(やまぐちひな・13歳)さんと、ピアノの若山明花(わかやまめいか・13歳)さんの共作です。演奏前のコメントから声をそろえて、息がぴったりなところを見せていたふたり。演奏もふたりで心を込めて、変化に富んだ楽曲で雲が色鮮やかに変化していく様子を表現していきました。
続いては中国からの出演となるオードリー・ジー・チェン(9歳)さん。エレクトーンのソロで演奏した『The Spiritual Mountain』は、中国の伝統楽器の音色をふんだんに取り入れ、オーケストラと融合させた壮大な楽曲。オリエンタルな雰囲気もたっぷりに、雄大な風景を描き出しました。
ピアノの鈴木美琴(すずきみこと・16歳)さんはベース、ドラムスとともに、ピアノトリオで登場。『Kaleidoscope』(=万華鏡)のクルクルと変化する模様を、スリリングなセッションで描写していきます。グルーヴに満ちたジャジーな楽曲と即興的な演奏に惹き付けられました。
昨年のYJPCのC部門(12歳以下)で第1位を獲得した佐々木悠衣(ささきゆい・12歳)さんは、リスト作曲『巡礼の年 第1年「スイス」S.160より 第3曲「パストラール」 第4曲「泉のほとりで」』を演奏しました。緩急のメリハリある表現力と変化に富んだ音色の弾き分けで、聴衆を楽曲の世界観に引き込みます。
赤坂哲(あかさかてつ・14歳)さんは、YEF2023中学生部門の第1位に輝いています。今回はラフマニノフの『ピアノ協奏曲 第1番 嬰へ短調 Op.1 第3楽章』を披露しました。オーケストラの立体感のある音作りと、鍵盤の上を縦横無尽に駆けまわるようなテクニックで圧倒的な演奏を聴かせてくれました。エレクトーンならではのオーケストラの表現を追究している姿が、頼もしく映ります。
休憩を挟んで第2部は東京交響楽団(指揮:角田鋼亮さん)との共演で、ステージにはオーケストラがスタンバイ。ピアノで共演したのは西野秀一(にしのしゅういち・16歳)さんで、演奏曲はJOC参加作品の『新幹線~with your Heart~』です。新幹線の走っている姿やホームに滑り込んでくるかっこいい様子を音楽で表現し、未来へ向かって軽やかに走り抜けていくようなポジティブ感あふれる楽曲でした。緊張した様子も見せながらも、オーケストラを率いたソリストとしてしっかり務め、客席からは大きな拍手が送られました。
そしてコンサートのフィナーレは、音楽教室卒業生であり、ピアニスト、作・編曲家など幅広く活躍する塩谷哲さんが登場。JOC作品として誕生した名曲『Earth Beat』を、東京交響楽団と共演しました。憂いあるメロディや和声の美しさにゾクゾクさせられ、パーカッションやアンサンブルから生命力あふれるパワーを感じます。塩谷さん自身もオーケストラの演奏を全身で受け止め、楽しんでピアノを奏でている様子がうかがえました。
演奏後には同じくヤマハ音楽教室の出身である指揮者の角田さんとマイクを持ち、曲のことや後輩であるコンサート出演者たちについて、自身のヤマハ音楽教室時代の思い出などを語ってくれました。客席にいる教室で学ぶ子どもたちへ向けて、「アンサンブルをすることでコミュニケーション力が培われるので、大事にしながら学んでいってほしい」と角田さん。塩谷さんは「人の音を聴くことが非常に大事。アンサンブルで人の音を聴き、心を合わせられる音楽教室での経験はとても貴重ですので、心に留めておいて」とメッセージを送りました。
その後、コンサート最後の曲となる『Spanish Waltz』の演奏へ。ドラマティックに風景が移り変わるエネルギッシュな楽曲で、塩谷さんも踊るようにピアノを弾き観客を惹き付けます。オーケストラとの一体感ある演奏で圧倒し、コンサートは大興奮に包まれながら終演となりました。こんな演奏がしたい、こんな曲を創りたい……最後は子どもたちの羨望のまなざしとモチベーションがあふれたコンサートとなりました。






















