
ヤマハ・ガラ・コンサートは、ヤマハが展開する「ジュニアオリジナルコンサート(JOC)」、「ヤマハエレクトーンフェスティバル(YEF)」、「ヤマハジュニアピアノコンクール(YJPC)」、そしてヤマハマスタークラスなどの音楽教育や音楽普及活動で、その才能を育んだ子どもたちや若き音楽家たちによるコンサートとして、2004年にスタートしました。ソロやアンサンブルに加えて、オーケストラを迎えたプログラムも見どころとなっていて、毎回大きな注目を集めています。21回目となる今年のコンサートは、Bunkamuraオーチャードホール(東京都渋谷区)で2025年9月23日(火・祝)に開催され、今回も多くの来場者を迎えました。
コンサートは2024年度のJOC参加作品から始まりました。幕開けを飾ったのは石橋莉真さん(12歳)で、いろいろなかたちをした「いのち」をテーマにした『ふしぎな生命』をエレクトーン・ソロで演奏。オーケストラ・サウンドで、繊細な命や雄大な命など、神秘の世界を描き出していきました。
ピアノ・ソロの安立ななみさん(12歳)は、大好きなバレエへの想いを込めて『組曲「バレリーナの思い出」』を披露。やさしさあふれる『1.春のおとずれ』から、エネルギッシュな『2.太陽の下で』、哀愁ある風景を思わせる『3.秋のせつなさ』、透明感ある景色が浮かぶ『4.こな雪の踊り』と、四季に乗せた色彩豊かな組曲を楽しませてくれました。
徳永奈優さん(10歳)は、お兄さんの徳永響奏さん(14歳)とピアノの連弾で登場です。徳永さんは仲良しの6人きょうだい。演奏曲の『6人きょうだい へんてこ凸凹自転車レース』はきょうだいのみんなで自転車レースを楽しむ様子を表現した作品。山あり谷あり、時には危険も感じさせる景色もありましたが、いろいろな場所を息ぴったりに駆け抜け、無事にゴール!演奏前のコメントもきょうだいみんなの声が聞こえ、家族の温かさも感じられる演奏でした。
ピアノのソロで登場したレレイト泰さん(12歳)は、作曲家や楽曲から受けた感銘からインスピレーションを得た『Rhapsody Unbound』を演奏。“解き放たれ自由になる”という意味が込められたタイトルで、クラシカルな表現の中に熱い情熱が感じられました。飛び立つような生き生きとしたフレーズや、はかなく美しいメロディーの中間部など、変化に富んだ作品で、音とステージを心から楽しんでいるような演奏が印象に残ります。
次は海外からの参加者の演奏です。ヤマハで学ぶ生徒は全世界で約44万人。ピアノのマイケル・イーサン・フーさん(15歳)は、インドネシア共和国からガラ・コンサートのために来日しました。エレクトーンのスフェトゥラナ・フリツスィ・オンさん(15歳)とのデュオで、コンチェルト風の『Embracing Memories』を演奏。さまざまな風景が展開される、映画を凝縮したようなドラマチックな楽曲で、パフォーマンス性ある演奏スタイルでも惹き付けました。
続いて登場した菅原悠心さん(11歳)は、昨年行われた第9回YJPC ジュニア部門(B部門)の第1位受賞者。今回のコンサートではハイドンの『ソナタ ロ短調 Hob.ⅩⅥ-32 第1楽章』、プロコフィエフの『10の小品 作品12より 第7曲「前奏曲(ハープ)」』の2曲を演奏しました。凛々しく端正なハイドンと、ガラッと雰囲気を変えた華やかなプロコフィエフと、幅のある表現力で観客を感嘆させました。
YEF2024 小学生高学年部門第1位受賞者である横塚悠季人さん(13歳)は、受賞曲である吹奏楽の大曲、阿部勇一さん作曲の『交響詩「天地創造」』をエレクトーン・ソロで演奏。荘厳な世界観を、1音ずつ大切に紡ぎ作り上げました。気迫ある演奏は多くの観客を惹き付けます。
そして第1部最後は再びJOC作品から、林大士朗さん(14歳)の作品がラインアップ。川や潮、過ぎ行く時など、“流れ”からイメージを膨らませた『Flow』を、林さんのエレクトーンと、ベース、ドラムの共演者とのアンサンブルで奏でました。ピアノを中心にデジタルなサウンドも駆使したナンバーで、3人のアンサンブルで激しい流れが生み出されていく様を堪能しました。
第2部は、三ツ橋敬子さんが指揮する「新日本フィルハーモニー交響楽団との共演」のステージ。1曲目はJOC作品から大同咲希さん(14歳)で、『Toccata~風の行方~』をピアノ演奏で共演します。清々しい風が吹くような気持ちのよい演奏で、生き生きとしたカデンツァも観客を惹き込みます。オーケストラとの一体感も素晴らしく、客席からは大きな拍手が贈られました。
コンサートの最後のプログラムは、ヤマハ音楽教室の卒業生でヤマハマスタークラス出身の小林海都さんが登場です。演奏の前に、小林さんと、同じく卒業生である指揮者の三ツ橋さんも交えてのトークタイムが設けられました。小林さんは「発表会で、エレクトーンで『弦楽セレナード』を弾いたことは良い経験。大変なことがあっても音楽が救ってくれるので、皆さんにもぜひ続けていってほしい」とメッセージ。三ツ橋さんも「エレクトーンを通してオーケストラに触れたことが、興味の第一歩に。音楽に触れていた経験はずっと寄り添ってくれるので、味わうことを忘れずにいてほしい」と話してくれました。
演奏曲のショスタコーヴィチの『ピアノ協奏曲 第2番 へ長調 作品102』は、協奏曲としては短い作りながらワクワクが詰まった楽曲。躍動し続けるような第1楽章から、対照的に厳かに響く第2楽章、そして変化に富んだ第3楽章と、素晴らしいテクニックで聴かせてくれました。オーケストラと一緒にいたずらを仕掛けるような、そんなユニークさを感じさせる演奏でコンサートを締めくくり、多くの観客が笑顔で会場を後にしました。
このコンサートの模様は10月26日(日)、11月1日(土)に、BS朝日でテレビ放送の予定です。




















