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赤ちゃんは音の出るおもちゃが大好き。定番のガラガラはもちろん、ボタンを押すと音楽が出る絵本にピアノや太鼓…。 でも、赤ちゃんは日常的な音と楽器の音を区別しているの?7カ月の子どもをもつママリポーターが、発達心理学や音楽心理学を専門に研究している、駒沢女子大学の丸山慎先生にお話を伺ってきました♪

赤ちゃんはどのくらいから「楽器」がわかるの?

将来、子どもに音楽を習わせたいと考えているのですが、赤ちゃんはどのくらいから「楽器」がわかるようになるのでしょうか。7カ月になるうちの子は、鈴が大好きですが、手に持たせても、じっと眺めたり、なめたり、床に投げたりして遊ぶことがほとんどで、たとえ音が出せたとしても偶然みたいです。
コンパクトグロッケン

ヤマハ音楽研究所では、乳児期から幼児期の子どもが、お母さんと一緒に音の出るおもちゃや楽器で遊んでいる場面の映像データを、こまかく分析する研究をしています。
「コンパクトグロッケン」などと呼ばれる金属の鍵盤をバチでたたく楽器では、子どもの月齢が低いうちは、お母さんがいくら隣でお手本を示しても、鍵盤本体を引っくり返したり、鍵盤の裏側を触ってみたり。手でたたいたり、バチだけを振ったり、なめてみたりと自由に遊んでいます。

うちの子もまったく同じ。私が目の前で鈴のおもちゃを振って、音を出して見せるとすごく喜ぶのですが、本人に持たせると、マネすることなく好きなように遊んでいます。

10カ月で楽器の「音」や「響き」を知る

ところが、数カ月が経過すると、子どもがバチを「鍵盤をたたく道具」として扱うような行動が増えて、グロッケンを「音を出すという機能を持ったモノ」としてかかわるようになったのではないか、と思わせる変化が見られたのです。

生後何カ月くらいから、そうなるのですか?

下のグラフは、ある1人の赤ちゃんの例ですが、月齢が低いころは「探索的で自由度の高い扱い方(緑色の線)」が起こりやすかったことがわかります。ところが10~11カ月ごろになると、「一般的に想定される扱い方(ピンク色の線)」が増えています。

図1 音の出るモノを赤ちゃんはどう扱うか

周囲にあふれていた雑多な音や、がむしゃらにモノと戯れる中で起こった音とはちがう「音」や「響き」を知り、特定の音を自ら生み出していくという、音楽的な表現行動の芽生えのようなものがあるのではないかと考えています。

うちの子も10カ月くらいになったら、鈴のおもちゃを「音を鳴らして楽しむモノ」と理解するようになるのでしょうか。

ほかの赤ちゃんについても、おおむね探索行動を経てから、ちゃんとした扱い方になっていく傾向が見られました。もちろん個人差はありますし、分析は継続中ですが、子どもたちのなにげない「音遊び」は、「音の学び」といってよさそうです。

日常生活の中でいろいろな音を聞くことや、おもちゃで好きなように遊ぶことも、音楽との出会いにつながっているんですね! ありがとうございました。

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◇プロフィール

丸山  慎(まるやま しん)
駒沢女子大学 人文学部 心理学科 准教授
専門:発達心理学、認知心理学、生態心理学、音楽心理学

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