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宇宙の理論と音楽の世界。一見すると、これらの領域は互いにまるで関わりがないように感じる方もいるかもしれません。しかし、理論物理学者である佐治晴夫先生は、オルガンやピアノを奏でて朝を迎え、今や金子みすゞの詩に曲を付けてしまうほど。さまざまな境界、枠組みを超えてゆく、佐治先生の探求心のルーツを伺います。

 
連載
見えない世界にまなぶ-佐治博士の宇宙・音楽・未来へのまなざし-
  • 1. すべて“ひとつながりの世界”――音楽、数学、そして物理

すべて“ひとつながりの世界”――音楽、数学、そして物理

音楽と数学はとても近いところにある

佐治先生は「数学や天文学などと同じ、音楽もリベラルアーツの一つとして考えるべきだと思います」と語り始めました。

――やはり音楽というのは、まだ非常に誤解が多いですね。一般に、娯楽という意味で皆さん音楽を考えているけれども、僕はリベラルアーツ※1の学問の一つとして音楽を考えるべきだと思っています。リベラルアーツの科目には何があるかというと、論理学や修辞学、数学などがあげられます。そこに天文学も含まれます。それから音楽も入ってきます。もともと音楽は学問であったということですね。

なぜ音楽は学問だったのか。それは、実は人類の進化と深く関わっています。人類は知性を獲得して、天空の動きに興味をもちました。カント※2は『実践理性批判』の中で、こう述べています。「自分の心を動かすのは天空の規則正しい星の動きである」。そこに人びとは神の存在を見出したのでしょう。「これだけ規則正しい宇宙があるならば、そこには神の御技があるのだろう」と。そして、音の中にも同じような規則正しい性質があるということから、音楽と天文学はリベラルアーツに位置付けられたという訳です。

 

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