ずっと、音楽と一緒に。 ON-KEN SCOPE

ON-KEN SCOPE とは?

ずっと、音楽と一緒に。
ON-KEN SCOPE
  1. ホーム
  2. 学び・教養
  3. 歴代テキスト制作者を訪ねて
学び・教養
ヤマハ音楽教室の前身となる取り組みが始まったのが1954年。それから60年以上にわたる音楽教室の歴史を紐解き後世に伝えるため、ヤマハ音楽研究所では教材のアーカイブプロジェクトを展開しています。幼児科のテキストはどのように編纂され、発展してきたのか――この連載では、編著者たちへのインタビュー調査を担当してきた研究員がエッセイを綴ります。  

* ヤマハ株式会社は、1887年に山葉寅楠(1851-1916)が創業し、1897年に設立した日本楽器製造株式会社が前身です。現在の名称となったのは1987年ですが、本連載では読みやすさを考慮し1987年以前の出来事についても社名を「ヤマハ」で表記しています。

 

『よろこびをつくる』の系譜

「よろこびをつなぐ」。この連載のタイトルは、今から50年以上前、1964年に刊行された『よろこびをつくる:日本楽器=ヤマハ』(以下、よろこびをつくる)という本へのオマージュとして付けました。1960年代にフジ・インターナショナル・コンサルタント出版部によって編まれた「企業の現代史」のシリーズでは、さまざまな企業の歩みが紹介されていました。『よろこびをつくる』は企業の現代史の41巻に当たります。

このシリーズは、本のタイトルに企業名がそのまま掲載されるというより、各企業の精神を表すようなキャッチコピーが用いられることを特徴としていました。例えば『暮しの夢のフロンティア : 西武百貨店』(1962)、『粉食文化のパイオニア : 日本製粉』(1964)など、各企業が産業の発展にどのような役割を果たしてきたかが短い言葉にぎゅっと凝縮されているように思えます。

 

それではヤマハの『よろこびをつくる』というタイトルには、どのような背景があるでしょうか。それは、プロローグに記された谷川俊太郎氏の詩に由来しています。谷川氏は、ヤマハの生産するピアノ、エレクトーン、ボート、オートバイなどを挙げ「そのどれひとつをとりあげてみても 生きるよろこびと無縁のものはない」(p.10-11)とうたっています。

 

『よろこびをつくる』はいわゆる文庫本サイズの小さな本ですが、1960年代までのヤマハの取り組みを詳細に記した、優れた歴史書でもありました。それから約50年を経て、世の中も、ヤマハも、大きな変貌を遂げました。特に、ピアノやエレクトーンなどの楽器そのものの販売ではなく、楽器の使い方――音楽の楽しみ方を伝える役割はヤマハ音楽教室として体系化され、2024年に音楽教室開講から70周年を迎えます。この連載では、ヤマハ音楽教室の歴史を切り拓いてきた方々へのインタビュー経験に基づき、教材開発がどのような変遷をたどってきたかをご紹介していきます。

 

もっと読む

アーカイブプロジェクトの裏側

テキストは誰がつくってきた?

◇著者プロフィール

今後より一層内容の充実を図るため皆さまからのご意見・ご要望をお聞かせいただきたく、アンケートへのご協力をお願い申し上げます。(全12項目)
この記事をどのようにして見つけましたか?※必須

入力枠

この記事についての印象をお聞かせください。※必須
この記事の文字量はいかがでしたか?※必須
この記事は役に立ちましたか?※必須
この記事がご自身にとって何に役立つと思われますか?(複数回答可)※必須

入力枠

このサイトには何回訪問されましたか?
このサイトのご利用頻度をお聞かせください。
あなたの職業をお聞かせください。※必須

入力枠

あなたの年代をお聞かせください。
あなたの性別をお聞かせください。
興味をお持ちのテーマをお聞かせください。(複数回答可)

入力枠

この記事についてのご感想やご意見などご自由にお書きください。
ページトップへ